ドイツ南部の大都市ミュンヘン。ここでは今、ベビーブームが起きている。
町を歩いていると、赤ちゃんを連れた若い夫婦が、これまで以上に目立つようになった。朝になるとマンションの上の階からも下の階からも、赤ん坊たちの元気のよい泣き声が響いてくる。2013年にミュンヘンで生まれた赤ちゃんの数は1万5951人。13年前に比べて31%の増加だ。今の好況が出生数の増加に結び付いているのは間違いない。
劇的な失業者の減少 独り勝ちの好況に沸く
労働市場に目を向けると、求人が湧くように発生している。
町では、スーパーなど小売店で従業員を募集するチラシを多く目にするようになった。
大手メーカーではエンジニアやITスペシャリストなどの高い技能を持った人材が大幅に不足している。このため、スペインやポルトガルなどから優秀な人材をスカウトして賄う状況だ。スペインなど南欧諸国では、ドイツ語を教える語学学校の人気が高まっている。
昨年12月のドイツの失業率は4.8%。欧州連合(EU)では最低水準だ。モノづくりのメッカである南部バイエルン州とバーデン・ヴュルテンベルク州では昨年夏に一時失業率が4%台を割り、事実上の「完全雇用」を達成した。
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