[ PART1 世界一よくわかる欧州事情]

カリスマ講師 細野真宏氏が解説
ほその・まさひろ●予備校講師、経済解説者。受験参考書『数学が本当によくわかる本』がベストセラーに。その後『経済のニュースがよくわかる本』など時事解説書も多く執筆。(撮影:今 祥雄)
Q 欧州でなにが起こっているの
今の欧州は、一言でいうと学級崩壊に近い状況です。
学校の生徒の中にクラスの秩序を乱す暴れん坊がいても「学校では静かにする」のがルールです。みんなが、規律には従うものだと思っていれば、やがて暴れん坊も静かになるでしょう。
しかし規律そのものへの不満が高まり、我慢できなくなったA君がいたとします。彼は規律を無視してクラス中を暴れ回っています。
実はほかのクラスメートも内心は不満を声に出したがっていたのですが、モラルが邪魔して表に出せなかった。しかしA君の行動が引き金となって彼らも連鎖的に騒ぎだすと、学級崩壊が起こるわけです。
ギリシャが引き金で他のEU加盟国を触発
現実ではA君がギリシャ、クラスメートがほかのEU加盟国です。
ギリシャはもともと放漫財政のツケが回って、2010年に国債償還ができない危険が高まりました(欧州債務危機)。危険をひとまず回避させたのは欧州連合(EU)、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)という国際3組織(トロイカ体制)の緊急融資でした。
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