有料会員限定

5人に1人が貧困 [ドイツ]構造改革の光と影

✎ 1〜 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
写真は貧困層向けの食料品配布の様子。旅行、余暇は考えられない貧困層が広がっている

特集「欧州激動」の他の記事を読む

「ドイツの輸出業は良好」(欧州経済研究センター・ZEWのクレメンス・フュースト所長)、「ドイツ経済は幸先のよいスタートを切った」(Ifo経済研究所のハンスウェルナー・ジン所長)。

東西統一後最低の失業率、ユーロ安による輸出の拡大など、何不自由ない安定した経済を謳歌しているかに見えるドイツ。

しかし「欧州の優等生」のイメージとは裏腹に、今、深刻な所得格差と貧困が襲っている。

子どもの8人に1人が貧困に瀕する

「5人に1人が貧困に苦しみ、国民の生活環境は年々悪化している」──。昨年末、ドイツの連邦統計局が貧困に関する衝撃的な発表を行った。報告書には、「貧困、あるいは貧困危機の国民」を貧困層としたうえで1.貧困危機、2.食品や生活必需品の不足、3.家計費僅少の三つを軸にした国勢調査の結果が収められている。

それによればドイツ国民(8080万人)のうち20.3%(1620万人)が貧困状態で暮らしている(図表1)。前年の貧困率(19.6%)よりも1ポイント近く悪化した。

関連記事
トピックボードAD