シニアフェローニコラ・ヴェロン 欧州ブリューゲル研究所
──欧州の金融システムの現状は。
1990年代の日本と非常によく似ている。2007年の危機に至るまで、欧州の金融機関はリスクを取りすぎた。07年以降は欧州の銀行が健全化を怠り、閉鎖や合併、リストラに時間がかかった。
だが、ここにきてようやく銀行同盟が設立され、欧州連合(EU)加盟国の銀行の監督機関が全欧州レベルに統合・移管された。
昨年、欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏の民間銀行の資産査定とストレステストを実施した。00年代の竹中平蔵金融担当相による金融再生プログラムと同様だ。銀行部門はまだ改善が必要で、今年中にECBがかなりの数の銀行に対して資本増強とバランスシート健全化、いくつかの閉鎖や合併を要請すると思う。
年内には今よりずっと健全な銀行システムになっているだろう。過去1年から1年半で銀行の健全性は増していると考えているが、さらにあと数十億ユーロの資本注入が必要になるだろう。
──ECBの量的緩和をどう見るか。
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