ギリシャの銀行の資金繰りはECB頼み。危機が他国へ 飛び火すれば日本の銀行や投資家も無傷ではない。
預金流出が止まらない──。42億ユーロ(約5600億円)がギリシャの銀行の預金から消えた(2014年12月の1カ月間、図表1)。預金残高合計1600億ユーロの約3%を占める額だ。ギリシャ中央銀行が公表している正式な値はここまで。金融市場関係者の間では、15年1月にはその倍以上の100億ユーロ(約1兆3300億円)超、2月もこれを上回るペースで預金が流出している、とみられている。
とはいえ足元、「ギリシャの人々が銀行の前に列を成し、焦って預金を引き出そうとしている姿はない」(欧州ブリューゲル研究所シニアフェローのニコラ・ヴェロン氏)。取り付け騒ぎによる混乱はないようだが、粛々と、そして大量に預金は流出し続けている。
預金不安が広がったのは、1月下旬のギリシャ総選挙がきっかけだ。緊縮財政に反対する党が政権を握ると予想され、事実その方針のチプラス政権が誕生した。09年にギリシャ財政の粉飾が発覚して以降、ギリシャの銀行は信用力を事実上ECB(欧州中央銀行)に頼ってきた。それがチプラス政権になり、緊縮財政が継続されなければECBからの支援が打ち切られるとみられ、ギリシャの銀行に対する信頼が揺らいだ。
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