タカタがエアバッグに使う火薬は安全なのか

拡散するリコール問題、火薬の専門家に聞く

12月3日の公聴会で質問に答えたタカタの清水博シニアバイスプレジデント(写真:Bloomberg)

リコール問題の収束が見えないタカタ。米国の一部地域で行われていたエアバッグの調査リコールをホンダなどが全米に拡大した。さらに日本などでも異例の自主回収調査を行うこととなった。

タカタ製エアバッグは2000年代半ば以降に欠陥が多発。これまでもたびたび各国でリコールされてきた。米国で調査リコールを行っているのは南部の多湿地域という特徴があるものの、不具合の原因はまだ特定できていない。そうした中、業界で疑いの目を向けられているのが、エアバッグのガス発生装置に使われている火薬である。

公聴会でも複数の議員が質問

本題に入る前に、エアバッグが膨らむ仕組みを説明しておこう。まず、自動車の衝突をセンサーで感知し、車載コンピュータがエアバッグを開く必要があると判断すると、インフレータ(ガス発生装置)が着火する。そして、化学反応によって発生したガスでエアバッグを膨らませる。衝突からここまでわずか0.02~0.04秒。

このガスを発生させるために火薬が用いられている。初期のエアバッグではアジ化ナトリウム系の火薬が使われていたが、毒性が高いため2000年以降は使用禁止となった。そして現在、ガス発生剤として硝酸アンモニウムを使っているのはタカタだけ。日本のダイセルやスウェーデンのオートリブは硝酸グアニジンからなる火薬を使っている。

このため、欠陥の原因は硝酸アンモニウムそのものにあるのではないか、という疑問が投げ掛けられている。12月3日に開かれた米下院の公聴会でも、複数の議員から硝酸アンモニウムの危険性を問う質問が出た。しかし、タカタの品質保証責任者の清水博シニアバイスプレジデントは安全性を主張している。

硝酸アンモニウムとはどういった特性を持った火薬で、ほかのメーカーが使う硝酸グアニジンと何が違うのか。火薬学会の理事で、自動車用安全部品部会長の堀恵一・東京大学工学系大学院教授に聞いた。

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