シャープ復調の“立役者”に強まる逆風 米国の太陽光発電子会社を売却へ
ただし、今後の国内の太陽電池市場には不透明感が漂っている。14年度は電力の買取価格の減額や、消費増税に伴う需要の反動減の影響で、成長が減速。さらに産業用ソーラーでは、九州電力などが需給バランスの都合で、買い取りを中断していることが逆風となっている。
中国勢の躍進が打撃
さらにシャープを含む日系メーカーに打撃となっているのが、中国勢の躍進だ。世界大手のトリナ・ソーラー、インリー・グリーンエナジーなどが近年、日本市場に続々参戦。産業用に続き、「今後は住宅用ソーラーも拡販する」(中国メーカー日本法人幹部)と低価格を武器に攻勢をかけている。
シャープも産業用ソーラーについては、「今後電力の買取価格の下落が見込まれ、事業としては厳しくなる」(同社関係者)。そのため、需要継続が見込める住宅用で勝負する構えだ。大阪・堺工場で、発電効率の高さがウリの「単結晶ブラックソーラー」を生産し、蓄電システムなどとの一括販売を図っている。
欧米から撤退し、国内住宅用を主戦場に太陽電池事業を成長に導けるか。課題の“液晶一本足”経営の脱却へ向け、シャープは難題を背負っている。
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