シャープ復調の“立役者”に強まる逆風

米国の太陽光発電子会社を売却へ

シャープは大阪・堺工場で住宅用ソーラーを生産している

シャープが米国の太陽電池(太陽光発電パネル)事業を手掛ける子会社の売却に乗り出している。具体的には米子会社リカレント・エナジーの売却に向け交渉している。売却先は世界大手のカナディアン・ソーラーが候補とみられる。これによって、米国事業は大幅縮小となる見通しだ。

シャープの太陽電池事業は、2013年度に営業利益324億円(同年度の期初予想は60億円)を稼ぎ出し、経営危機後の再建1年目の計画達成に貢献した“立役者”。その利益の大半を占めたのが、米国でのソーラープラント(太陽光発電所)建設の事業だった。

 米国の電力購入契約価格が下落

なぜ、収益改善の立役者である米国事業を手放すのか。その背景には、米国で消費者が発電事業者から電力を買い取る電力購入契約(PPA)価格が下落している状況がある。

PPA価格下落によって、米国ではソーラープラントの需要が停滞。逆に増えているのが、プラント建設業者による自家発電ビジネスである。ただし、自家発電は資金回収までに時間がかかる。「長期的に回収するビジネスでは、資金の体力が持たない」(シャープ関係者)。そのため米国での事業売却に向け、調整しているようだ。

シャープはすでに、欧州での太陽電池生産からも撤退済み。今後は国内を中心に太陽電池事業を伸ばしていく構えだ。国内では12年に再生エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)が導入され、産業用、住宅用ともに需要が急増。12年度、13年度はソーラー各社が市況改善に沸いた。

次ページ日本の太陽電池事業はどうなる?
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