まずご理解いただきたいのは、「合格点を取るための勉強法」と「100点を目指す勉強法」は、180度異なるということ。今重要なのは、紛れもなく前者ですね。そして合格点を取る勉強法を極めるには、「絶対にやるべきことか」と「今やるべきことか」という2つの視点が必要です。
ある勉強をする際、それが must (やらなければならないこと)なのか、nice to have(やっておくことが望ましいこと)なのかを考えてください。これ、仕事でも勉強でも非常に重要な原理原則ですが、ほとんどの人ができていません。
「あいつも読んどく?」な参考書に構うな
たとえば飲み会や会議のメンツを考える際、「あいつは絶対呼ぼう」という must メンバーと「あー、あいつも呼んどく?」みたいな nice to have メンバーがいるじゃないですか。でも後者は、呼んでも呼ばなくても大差がない。
試験勉強も同じです。「あー、あいつも読んどく?」的な参考書には、絶対に手を出してはいけません。試験当日が迫っているときはなおさら、「あいつは絶対読もう」という基礎的な参考書のみに集中してください。
最近街を賑わせている解散総選挙でも、同じ理論が当てはまります。候補者は投票日が迫っている中、選挙区内での街頭演説や握手といった基本動作をせず、遠方に視察出張に行くようなことをするでしょうか。すぐそこに本番が迫っているのだから、街頭に出て声を枯らし、握手のしすぎでハンドクリームに頼りきり、というところまで基本動作を重視するのではないでしょうか。
ご質問者様は、やさしい基本問題集から始め、その後参考書のレベルを徐々に上げていく、とのこと。参考書を応用的なものにどんどん変えていくということでしょうか。これはまさに「あいつも読んどく?」な参考書に手を出しすぎという状態です。テストは来年に迫っているのでしょう? とにかく must に集中してください。
基本問題集が手元にあるのであれば、まずそれを何度も繰り返してください。そして問題集を選ぶ際には、必ず過去問集を選んでください。過去問を解かないと実際の試験のレベルがわからないし、ピントのずれた予想問題を解いてもまったく意味がありません。私の著書の中でも力説していますが、過去問を十分に解かずに勉強している人があまりに多すぎます。
昨今、教科書の「7回読み勉強法」が流行っていますね。実際に7回読むかどうかは別として、基本問題や参考書をすべて暗記するくらいの勢いで繰り返したほうが知識は定着しますし、合格に必要なレベルというのはせいぜいその程度のものなのです。100点を取るのではなく、合格を目標にするのであれば、nice to have はすべて捨ててしまうのがいいでしょう。
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