USEN宇野康秀・前社長インタビュー(完全収録)
--では、所属先がUSENから宇野さん個人になっても、ユーネクスト事業は今後も続けていくわけですね。
はい、続けていきます。
--この件で宇野さんが出す個人資産はどれくらいになるのでしょうか。
赤字が続いている事業体ですから、それを補填するのが私の資金負担になります。当然、この赤字は最小化させていくつもりですが、譲渡価額1000万円と毎月のキャッシュフローのマイナスを私が負担することになります。
--個人で赤字の会社を引き受けるに足るだけの資産が、まだ潤沢にありますか?
潤沢にはないです(笑)。ユーネクストの社員にも、そんなに燃料たくさん積んでいる船でもないのだから、ちゃんと自分たちで飯食っていかないと言っています。
--黒字化のメドは。
今回の分離を機に、色々なコスト圧縮を進めていきます。足元で安定的に加入者は増えていますので、コスト圧縮が進めば、近いうちに黒字化できる。1年以内には黒字化しなければ、と考えています。
--ユーネクストもそうですが、過去にも宇野さんが会社のために個人で借り入れをしたり、ライブドアの株式を買い取ったりしてきました。今回も赤字の事業の受け皿に宇野さんが個人でなります。こうした私財を投げ打つ経営をやってきたのは、どういう考えからでしょうか。
やはり会社に対する愛情が強くあります。自分がどうだというより、まず会社が元気になって、社員が元気に働いてくれることが第一ではないかと。自分が少なからず築いたものがあれば、そちらに資すべきと思っています。
--ただ、個人経営者ならまだしも、この規模の上場企業で社長が個人で負債を背負うというのは、あまりない話ですね。
そうかもしれないですね。