USEN宇野康秀・前社長インタビュー(完全収録)

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--インテリジェンスを立ち上げたときの、ベンチャー的なやり方がUSENに移っても継続していたのでしょうか。

継続していましたね。

--今は違うのでしょうか。

ベンチャー的な感覚は変わらないですけどね。私も少しは大人になったので、二十代よりは成長しているでしょうね。

--会長として、今後USENの経営にはどう関わっていきますか。

筆頭株主としての立場に変わりはありません。会社と、お客様やパートナーとの結びつきを作るような役割を私がしていく予定です。また会社の理念を守っていくのは私の責務になると思います。実務については中村史朗・新社長が取り仕切ることになります。

--中村新社長とはどんな関係だったのでしょうか。

三菱商事やコンサルティング会社での豊富な経験がある人です。人物としては非常にまじめで、実直な人です。1年くらい前に、経営体制の強化を目的に、ボードメンバーとして参画してもらえる人を何人か紹介してもらいました。そのうちの一人が中村新社長で、今年の9月から顧問をしてもらっています。


 --業績回復後に宇野さんがまた社長に復帰するということはありえますか。

まずないと思います。USENが飛躍するために、どうしても自分が出てこなくてはという場面があれば考えますが、まず復帰はないでしょうね。

--宇野さんが「復活した」と言われることがあるとしたら、どんなときなのでしょうか。

難しい質問ですね。世間からの見られ方は何となくわかっているつもりです。でも自分では、今が大きく落ちている状態にあるという意識もないんですね。そもそも私は有名経営者になりたいと思ったわけでもない。一時期メディアに取り上げていただいて、そういう風に見えた時期もあったかもしれないですが、評価される経営者になりたいと考えていたわけではないんです。今、純粋に事業のことを考えられる自分に戻れていると感じていますし、そのことに満足もしています。

--今後、宇野さんが追いかけていくものは何になるのでしょうか。

USENの経営を見守っていくことと、ユーネクストを拡大していくこと。当面はこの2つになるでしょう。「自分は何になりたかったんだろう」と、この1~2年考えていました。やはり「事業家になりたい」と。自分の起こした事業が広がることが喜びなんです。だから、やりかけたユーネクストというサービスを完遂することを自分の社会的責任と考えています。

(桑原 幸作 =東洋経済オンライン)


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