前編で活動内容を紹介した、いか文庫という不思議な組織。知らない人が一見するとどうしても不思議さが先行するが、彼女たちの実力は折り紙つき。「書店の棚を作ってほしい」という依頼が全国から舞い込んでいるという。
評価されているのはひと口で言えば、センスの良さだろう。本を選ぶセンス、POPを書くセンス。今回はこのPOPについてお伝えしたい。
ご存じの方も多いと思うが、POPとはPoint of Purchase=店頭の略。正確には「POP広告」だが、出版業界でPOPといえば、画用紙等に個性的な字体で訴えかけるような文句を書いて本に付け、書店を訪れた人に直接訴求するツールだ。
面白さを伝えたい時に「面白い」は要注意
実際に棚作りを依頼したことのある紀伊国屋書店の書店員は、いか文庫のPOPを手放しに賞賛する。
「お客様の心をワッとつかむのがものすごく上手」
また、いか文庫が主宰するPOPのワークショップの参加者は、
「仕事の現場でも、短くても相手の琴線に触れる言葉のチョイスができるとより伝わる」
と、ビジネスにおける短いフレーズの重要性を語る。言葉を選ぶセンスは場所を問わず必要とされているのだ。粕川さんの強みは、自分のPOPテクニックを抽象化して語れること。取材で訪れたワークショップで彼女が言うには「面白い」は要注意ワード。いったいどのような注意が必要なのか。
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