ソフトバンクが惚れた「配車アプリ」の実力 創業2年のアジア企業に300億円を出資

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

実際、運転手側にとっても、グラブタクシーの契約者になるメリットは小さくない。通常の流しのタクシーであれば、客を探すのにあてもなく走り回らなければならないが、グラブタクシーの運転手であれば自分が走っている近くにいる客を効率よく拾えるからだ。現在、登録している運転手の数は6カ国で約6万人に上るが、応募は引きも切らない状態だ。

狙いはアッパーミドルクラス

グラブタクシーの利用者は国によって若干異なる。たとえば、シンガポールなどスマホ利用率が高い国では、一般的に利用されている。一方、ベトナムやフィリピンの場合は、スマホを持っていて、タクシーを利用できるようなアッパーミドルクラス以上の利用者がほとんどだという。もっとも、格安スマホなどの台頭で、今後東南アジアでもスマホが爆発的に普及することが見込まれている。

加えて、「グラブタクシーができたことで、高くて不便で安全面に問題があると思われてきたタクシーのイメージも、安全で便利なモノだという認識が急速に広がりつつあり、タクシーの利用者数自体が膨らんでいる」(ゴー氏)。

既存業界に風穴を開けることで躍進するグラブタクシー。はたしてソフトバンクにとって、アリババのような“おいしい投資”になるだろうか。

倉沢 美左 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

くらさわ みさ / Misa Kurasawa

米ニューヨーク大学ジャーナリズム学部/経済学部卒。東洋経済新報社ニューヨーク支局を経て、日本経済新聞社米州総局(ニューヨーク)の記者としてハイテク企業を中心に取材。米国に11年滞在後、2006年に東洋経済新報社入社。放送、電力業界などを担当する傍ら、米国のハイテク企業や経営者の取材も趣味的に続けている。2015年4月から東洋経済オンライン編集部に所属、2018年10月から副編集長。 中南米(とりわけブラジル)が好きで、「南米特集」を夢見ているが自分が現役中は難しい気がしている。歌も好き。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事