ソフトバンクが惚れた「配車アプリ」の実力 創業2年のアジア企業に300億円を出資
実際、運転手側にとっても、グラブタクシーの契約者になるメリットは小さくない。通常の流しのタクシーであれば、客を探すのにあてもなく走り回らなければならないが、グラブタクシーの運転手であれば自分が走っている近くにいる客を効率よく拾えるからだ。現在、登録している運転手の数は6カ国で約6万人に上るが、応募は引きも切らない状態だ。
狙いはアッパーミドルクラス
グラブタクシーの利用者は国によって若干異なる。たとえば、シンガポールなどスマホ利用率が高い国では、一般的に利用されている。一方、ベトナムやフィリピンの場合は、スマホを持っていて、タクシーを利用できるようなアッパーミドルクラス以上の利用者がほとんどだという。もっとも、格安スマホなどの台頭で、今後東南アジアでもスマホが爆発的に普及することが見込まれている。
加えて、「グラブタクシーができたことで、高くて不便で安全面に問題があると思われてきたタクシーのイメージも、安全で便利なモノだという認識が急速に広がりつつあり、タクシーの利用者数自体が膨らんでいる」(ゴー氏)。
既存業界に風穴を開けることで躍進するグラブタクシー。はたしてソフトバンクにとって、アリババのような“おいしい投資”になるだろうか。
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