オバマ大統領は能弁な“ブランド”に過ぎない--『アメリカとともに沈みゆく自由世界』を書いたカレル・ヴァン・ウォルフレン氏(ジャーナリスト、アムステルダム大学教授)に聞く

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オバマ大統領は能弁な“ブランド”に過ぎない--『アメリカとともに沈みゆく自由世界』を書いたカレル・ヴァン・ウォルフレン氏(ジャーナリスト、アムステルダム大学教授)に聞く

「冷戦後、一極支配を確立したアメリカは、傲慢さ故に多くの過ちを犯してきた。期待されて登場したオバマ大統領も失望に終わった」。今、何が必要なのか。鋭利なジャーナリストの目からアメリカの問題を浮かび上がらせた。

--この本の中で、「希望が急速にしぼんでいくにつれて、悲しいかなおよそ任務には適格ではない大統領の姿が見えてきた」と書いています。予想どおり、米中間選挙で民主党は大敗しました。まず、オバマ大統領の失敗の理由を聞かせてください。

結果は半年以上前から予想されていたことだ。民主党の敗北はアメリカにとっても好ましいものではない。共和党が下院で過半数を占めたが、有効な政策は打ち出せないだろう。共和党が選挙で勝利したのは、国民の間に恐れと嫌悪感をあおったからだ。アメリカの状況がさらに悪化するのは間違いない。本に書いたように、中間選挙は“アメリカの悲劇”を鮮明にしただけだ。

──「民主党が負けた」のか、それとも「共和党が勝った」のか、どちらが適切な表現ですか。

前者の表現のほうが正しいだろう。オバマ大統領は就任当初から二つの大きな危機に取り組んだ。金融制度の破綻と戦争だ。大統領は危機を解決することができたが、実際にはそうしなかった。なぜオバマ大統領は公約を実施しなかったのか、大きな疑問だ。私は本書でその疑問に答えようとした。

オバマ大統領には確固たる信念がない。必要な事柄を成し遂げるという信念を持っていない。彼は能弁だが、“ブランド”にすぎない。ブランドには内実がなく、単なる幻想にすぎない。彼は自分の中に何かを成し遂げるという政治的な確信を持っていなかったのだ。


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