棚上げになったNTT分割、ソフトバンクの誤算


 ただ押し切れなかった一因は、同じくNTTの市場支配に異を唱える立場のKDDIやCATV各社を、味方につけられなかったことにある。それもそのはず。たとえば、KDDIは光回線の敷設に巨額の先行投資を行っている。NTTのインフラを自由に借りられるようにするソフトバンク案は、これを否定するものだからだ。

今年9月には原口氏が総務相を退任。孫社長は後ろ盾を失った。残る頼りは「国民の声」だけ。全国紙に意見広告を出し、簡易ブログのツイッターで署名を集めるなどしたが、甲斐なく終わった。

とはいえ、最終報告案にも疑問は多い。8月の中間報告に盛り込まれていた2015年の構想実現という目標に言及しなかった。NTTの機能分離の時期も示していない。現在約3割にとどまる光回線の普及スピードが上がらなければ、NTT分割論が再燃する可能性はありそうだ。

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(桑原幸作 =週刊東洋経済2010年12月4日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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