ベンツ「Sクラス」に乗ってみた! 1590万円のPHVモデルは何がすごいのか

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フロントウインドウには車速やナビの情報が表示

つまり、時速60キロメートルで走っているのだが、筆者には時速30キロメートルぐらいのような感覚なのである。ちょっと寝不足だったのもあるかもしれないが、あまりにもゆったりしすぎてあくびが出てしまったほどだ。高速道路で長距離走行をしたら、いかに楽だろうかと想像した。

このほか数えればキリがないほど、先進の機能が満載されていた。ステレオカメラと6つのレーダーによって、周囲の状況を判断してアクセル、ブレーキ、ステアリングの操作を自動でアシストする部分自動運転が入っていたり、先行車に近づきすぎると予測すれば、アクセルペダルに若干の振動を与えて、それを知らせたり。カーナビの機能も最新鋭で、目的地を設定したら、フロントウインドウには目的地までの距離が表示。次に曲がる交差点の名前とそれまでの距離も映し出されるという、何とも至れり尽くせりなシステムが搭載されている。

自分で運転するより…

それ以外にもS550プラグインハイブリッド ロングには最新の機能が満載だ。キリがないので詳しくは割愛するが、あまりにもコンピュータ制御が行き渡り、静かで安定していて、何でもそろっているので、自分で運転するというより、オーナーは運転手に運転してもらって後席に座る車なのかと思った。

現時点では庶民には“異次元”の世界でしかないが、長い目で見れば無関係でもない。車の最先端技術はまず高級車に先行導入され、徐々に量販車へと広がっていく流れがあるからだ。10年後ぐらいには、それほど高価でもない車にも今のSクラスに搭載されているような機能が付いているかもしれない。自動車メーカーが先進技術に挑む裏側にある、超富裕層のすさまじい購買力を改めて感じた。

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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