ベンツ「Sクラス」に乗ってみた! 1590万円のPHVモデルは何がすごいのか
初めて味わう感覚だった。
確かに道路の上をタイヤが回って「走っている」のだが、まるでレールの上に乗って「滑っている」ような――。メルセデス・ベンツ「Sクラス」はそれほどスムーズに走るのだ。
11月28日。千葉・幕張のホテルを拠点に開かれたメルセデス・ベンツ日本のオールラインナップ試乗会に参加した。その名の通り、ベンツの主要なモデルがずらっとそろうイベントだが、今回の目玉は11月25日に日本国内での販売を開始した「S550 PLUG-IN HYBRID long(プラグインハイブリッド ロング)」。約1年前にフルモデルチェンジしたベンツ最高級モデルのSクラスに新たに追加された仕様で、車両本体価格1590万円という“超高級車”だ。
EVのようにも走れるHV
プラグインハイブリッド車(PHV)は、国産で言えばトヨタ自動車「プリウス」や三菱自動車「アウトランダー」に設定されている仕様で、エンジンとモーターを併用するハイブリッド車(HV)でありながら、バッテリーへの充電走行によって一定の距離は電気自動車(EV)のようにも走れるという新世代のエコカーである。
ベンツは2013年8月に新型Sクラスを日本に投入する際、ベーシックモデルをその名のとおりHVの「S400 HYBRID」とした。これはトヨタの高級車ブランド「レクサス」がすべてHV仕様を設定し、量販車も含めてHVの人気が高まっていたことに対応した戦略だが、今回はレクサスもまだ導入していない超高級車のPHVモデルを先に日本市場へ投入した格好となる。これで最大85万円の免税対象となるというのだから、驚きだ。
S550プラグインハイブリッド ロングは、排気量3000ccのV6エンジンにモーターを組み合わせることで、V8エンジン並みの高出力を得ながら、燃費性能を高めている。最高出力はざっと400馬力を軽く超え、発進から時速100キロメートルまで5.2秒で到達する速さも併せ持つ。それでいて、フル充電状態ならモーターだけで走るEVモードで30キロメートルぐらいの距離を走れる。