ウクライナ戦争、身動き取れぬ中国が決断する日 あいまいな態度の裏にあるロシアとの複雑な関係

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秋の党大会へ向け失敗はできない習近平国家主席(写真:AFP=時事)

党書記の任期延長がかかる党大会

習近平氏にとって、さらに重要なことは秋に予定されている党大会で自らの党総書記の任期制限を撤廃し3期目に入ることだ。そのためにはここで失敗は許されない。

習近平氏は2月4日、北京五輪開会式の日に、プーチン大統領と会談し「NATOの継続的な拡大に反対」などという共同声明に調印し、反欧米での協調ぶりを誇示したばかりだ。したがって、共同声明と今後のロシア侵略への対応との整合性も問われることになりかねない。短期間で政策がぶれることになれば、党大会で政権延命を目指す習近平の足元が大きく揺らぐことは間違いない。

朱鎔基元首相ら引退した党幹部の間から任期延長に反対の声が出ているとも伝えられている。習近平氏はいかにして自らが生き残るか、思いをめぐらせていることだろう。

薬師寺 克行 東洋大学教授

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やくしじ かつゆき / Katsuyuki Yakushiji

1979年東京大学卒、朝日新聞社に入社。政治部で首相官邸や外務省などを担当。論説委員、月刊『論座』編集長、政治部長などを務める。2011年より東洋大学社会学部教授。国際問題研究所客員研究員。専門は現代日本政治、日本外交。主な著書に『現代日本政治史』(有斐閣、2014年)、『激論! ナショナリズムと外交』(講談社、2014年)、『証言 民主党政権』(講談社、2012年)など。

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