観光シーズン到来、「レストラン列車」の作り方 京都丹後鉄道の担当者が語る「食とサービス」

拡大
縮小
丹後くろまつ号の豪華な車内(筆者撮影)

京都府北部を走る京都丹後鉄道では、工業デザイナー・水戸岡鋭治氏が手がけた3つの観光列車が運行されている。料金不要だがアテンダントが乗務する「丹後あおまつ号」、低料金で景色や喫茶が楽しめるカフェ列車「丹後あかまつ号」、そして地域の食材でコース料理、あるいはスイーツが楽しめるレストラン列車「丹後くろまつ号」である。

この記事の画像を見る(11枚)

1月下旬、筆者はレストラン列車「丹後くろまつ号」に乗車した。「丹後くろまつ号」は1日に3回運行されており、運行ごとに提供する料理が異なる。筆者が乗車した時点では「丹波まるごとスイーツコース」「丹後ちりめん懐石コース」「但馬のこだわりディナーコース」であった。

4月1日からは「スペシャルモーニングコース」「海の幸堪能コース」「地酒飲み比べコース」「スイーツお楽しみコース」に変更される。マンネリ化を避け、季節感を出すための工夫である。「モーニング」「海の幸」が食事主体で、価格は6800円~1万3000円(運賃込み)と比較的高額なものと、4800円(運賃込み)の「地酒」「スイーツ」といったように方向性が分けられている。

列車によってコーヒーも違う

丹後くろまつ号のスイーツコースでは「丹波の黒豆のバターサンド~くろまつ号~」「春の三色サンド」「わらび餅と抹茶ゼリー」「丹波栗の渋皮煮とちいさいきんとん」「マドレーヌ」「丹波ティラミス」「モンブラン」「ゆずジュレ」が提供される。

「鉄道最前線」の記事はツイッターでも配信中!最新情報から最近の話題に関連した記事まで紹介します。フォローはこちらから

料理は2回に分けて提供され、前半は上品な味わい、後半は濃厚な味わいが特徴だった。料理の盛り付けや質が素晴らしい。料理のシメとして、コーヒーも提供される。別に乗車した「丹後あかまつ号」とはまったく方向性が違うコーヒーで、そのこたわりも心地よい。

コロナ禍の最中ということもあり、乗車日の「丹後くろまつ号」は空いていた。アテンダントより「今日は空席があるので、お好みの席に変わりますか」と聞かれる。1人客で4人テーブルを使うのは贅沢だが、ありがたくお受けした。

次ページ担当者に舞台裏を聞いてみた
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT