ドル・円は3月中に6年ぶりに120円突破の見方も 日本の経常赤字と米国の株高が円安を演出

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ドル・円相場は市場の一部で月内にも約6年ぶりとなる1ドル=120円を突破するとの見方が出ている。経常赤字が常態化する中で円売り圧力は根強いうえ、株価上昇が続けば投資家心理が好転してリスク選好の動きが強まるからだ。

ニッセイアセットマネジメント運用企画部の松波俊哉チーフ・アナリストは「ナスダック総合指数とドル・円の連動性は足元で戻してきており、株高が続けば3月中にも120円を超える可能性がある」と指摘した。 

ドル・円は今週の米連邦公開委員会(FOMC)を受け、一時2016年2月以来の119円12銭まで上昇した。松波氏は米金利上昇と原油高による需給的な円安圧力で119円台まで上昇してきたと分析。一方、現水準ではFOMCを通過したことで日米間の金利差拡大は既にかなり織り込まれたとの声も増えてきた。

  

ナスダック総合指数は米金利上昇やリスクイベントへの感応度が高く、投資家心理が反映される代表的な株価指数の一つ。ナスダック総合指数は2月24日に昨年11月の高値からの下落率が20%を超えた。その後、3月14日に安値を付けると18日にかけて約8%反発している

IG証券の石川順一シニアFXストラテジストはドル・円上昇のけん引役として日本の経常赤字を挙げる。石川氏は「3月に日本の経常赤字が過去2番目に大きいことが判明して以降、株安局面でも円安が進んできた」と指摘した上で「供給懸念で原油高が続く可能性があり、経常赤字からくる需給面での円売り圧力は根強い」との見方を示した。

ただ、石川氏は120円突破について3月は日本の年度末に当たるため「早ければ4月に、新年度相場という中で超えていくのではないか」とやや慎重にみている。松波氏も3月中の120円突破の可能性を指摘しつつも、注意点として「15日時点での投機筋の円ポジションが10万枚のネット円ショートを超えているとポジションの偏りすぎで調整が必要になるかもしれない」とした。

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著者:酒井大輔

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