フレッシュネス「チーズバーガー専門店」の勝算 ウィズコロナにふさわしいチェーンのあり方
つまりフレッシュネスでは、ウィズコロナにふさわしいチェーンのあり方を、新業態を展開する中で探っていこうとしているわけだ。
では、テイクアウト専門店としてどのような特徴をもった店舗なのだろうか。
まずこれまでと大きく違うのがオーダーの仕組みだ。スマホで、LINEのトーク画面から商品を選んで注文し、通知された受取時間に店舗で受け取る。支払いは原則、キャッシュレスとしているが、今後現金にも対応するフルセルフレジの導入を検討しているそうだ。
LINEを活用したオーダーシステムはフレッシュネスでは初めて採用。
LINE利用者なら新たなアプリをダウンロードする手間もなく、購入時のハードルが下がると考えた。
そして、受け取り方法もテイクアウト専門店ならでは。店舗内正面には注文ごとに商品を仕分けられる専用ロッカーが設えてあり、そこから自分のオーダーしたものを取り出す。飲み物は、注文に応じて添えられた空のカップに店内右手にあるドリンクコーナーから各自入れて行く仕組みだ。
商品企画にも表れている「特異性」
テイクアウト専門店としての特異性は、商品企画にも表れている。ワンハンドで食べられるよう、若干小ぶりなサイズで設計されているのだそうだ。
「コロナ禍で増えたリモートワークのランチ事情を調べたところ、コンビニのお弁当やカップラーメンなど、簡単に食べられるもので済ませてしまう方が多いという結果でした。そこでテイクアウト専門店として、“手早く食べられて、かつおいしい”を価値として提供したいと考えています」(フレッシュネス広報部)
そのほか、テイクアウトを勘案しての工夫点が梱包材だ。ハンバーガーを包むほか、食べるときに使うのがバーガー袋。これをチーズネスバーガーでは小さめにしてあり、くるまずに型崩れを防ぐためのパックに包み、紙袋に入れて提供する。バーガーの大敵、湿気を逃がす工夫を随所に凝らしているのだ。
なお、この梱包法はフレッシュネスバーガーでテイクアウトやデリバリーの提供が増えた頃から採用されているという。
以上、チーズネスのテイクアウト専門店としての特徴を述べてきた。同ビジネスモデルの利点としては、店舗スペースの縮小化と人員の削減が挙げられる。
まず、イートインスペースがいらない分、家賃や設備にかかるコストを抑えられる。また大きいのが人件費だ。注文にまつわる店舗スタッフの作業は、商品を調理して梱包、専用ロッカーに入れるだけ。これにより、例えばフレッシュネスバーガーなら店舗あたり平均3〜4名要していたところ、1〜2名のスタッフで済むという。
同チェーンでは、これらのコストカット分を原価へと組み入れることにより、例えばチェダーチーズバーガー+ポテト+ドリンクのセットが590円という高いコストパフォーマンスを実現させている。
次に、同チェーンの店としての魅力、チーズバーガー専門店としての戦略についても触れておこう。
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