フレッシュネス「チーズバーガー専門店」の勝算 ウィズコロナにふさわしいチェーンのあり方

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バンズやパティとの相性がよいチーズを使ったバーガーは、ハンバーガー店なら必ずメニューに載せている商品。とはいえ、チーズバーガー専門となるとはたして一つの業態として成り立つのか、判断が難しいところだ。しかしフレッシュネスでは、この決断に踏み切るうえでの勝算もあったようだ。

「もともとフレッシュネスでもチーズ商品は高い人気があります。加えて調査したところ、近年チーズの消費量が年々上がっていることがわかりました。通常、ハンバーガーで使うチーズとしてはチェダーが圧倒的に多く、たまにクリームチーズがあるぐらい。しかしチーズの種類じたいは非常に多く、味のバリエーションも多彩に展開できると考えました」(フレッシュネス広報部)

店舗スペースと厨房スペースを仕切るように設けられた専用ロッカー。オーダー用のLINEに表示された番号と照らし合わせて商品をピックアップする(撮影:尾形文繁)

確かに家計調査においても、2人以上の世帯でのチーズに消費した金額は2015年時点で4937円。しかし以降年々増えており、2021年は前年より少し減ってはいるものの、6728円だ。なお、2021年はチーズのみならず全体的な支出が減少している(総務省家計調査より)。

チーズは独特のクセや香りがあり、慣れないとまずく感じられるものもある。しかし、今はチーズの消費量が高まり、またスーパーなど身近でさまざまな種類が手に入るようになっている。全体的にチーズに対する免疫がアップし、味の違いを楽しめる人が増えているのかもしれない。

つまり、さまざまなチーズとの組み合わせにより、ハンバーガーの可能性もより広がっていくと言えるのではないだろうか。

フレッシュネスバーガーのノウハウが生きている

ここで生きてくるのが、本家のフレッシュネスバーガーのノウハウだ。ちょっと尖った、挑戦的なメニューが同チェーンの特徴。例えば、生のアボカドを使ったバーガーを通常メニューとしてそろえているのも珍しい。また2021年12月には期間限定で「ダンクバーガー」を発売している。シンプルなハンバーガーを、2種類のソースにつけて(ダンクして)食べるものだ。

こうした挑戦的な姿勢はチーズネスでも見てとれる。ベースとなるパティはチーズとの相性をより高めて考案。パティはチーズのクリーミーさやコクを引き立てるよう、スパイスの風味をきかせているという。また、バンズはもちもち感のあるタイプだそうだ。

メニューにはチェダーチーズ、クリームチーズ、カマンベールチーズ、スモークチーズ、ブルーチーズと組み合わせるチーズを変えたハンバーガーのほか、なぜかチーズの入っていない「NOチーズバーガー」も並ぶ。ブルーチーズはチーズの種類としては代表的だが、個性が強く好みも分かれるため、チェーンで常時メニューとして並べるのはなかなか冒険的と言えるだろう。

期間限定バーガーとしては、3月末までは「マカロニチーズバーガー」(440円)を販売中だ。

これは、マカロニと5種類のチーズを使用したソースを合わせて挟み込んだ、ボリューム感たっぷりのバーガー。サイズが小ぶりな分、よりがっつり食べたいというニーズに向けて企画されたものだという。客層は6対4ぐらいで女性が多いものの、マカロニチーズバーガーは狙いがあたり、男性からの支持も高いそうだ。

ドリンクはセルフサービス。特製レモネード(150円)は、フレッシュネスバーガーと同じ自家製のはちみつ漬けレモンを使用。フレッシュネスではたっぷりとレモンを使ってあるのが人気の理由だが、チーズネスではチーズに合わせよりさっぱりと楽しめるよう、レモンの量を控えめにしてある(撮影:尾形文繁)

2022年春発売予定の期間限定商品については現在準備中とのこと。オープン後初の期間限定商品として発売されたのが4つのチーズを楽しめるクアトロチーズバーガーだったことからも、やはりチーズバーガー専門店として、チーズの魅力をより訴求する商品の可能性が高そうだ。

今後の店舗展開については未定だが、将来的に出店を考えた場合、施設内のフードコートとの親和性が高いのでは、という意見があるという。フードコート内なので、テイクアウトというよりはモバイルオーダーやキャッシュレスという特性が活用できると考えられる。モバイルオーダー、キャッシュレス決済は、子連れで荷物も多い買い物客に適するスタイルなのだという。

テイクアウト専門店、チーズバーガー専門店という2つの特性をもった同チェーン。今後市場に合わせて展開を変えていく中で、どのように独自性を発揮できるかがポイントとなりそうだ。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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