「本を読んでも成長しない人」よくある5大共通NG 「背伸びばかりする…」あなたは大丈夫?

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最後は、「『メモ』をとらず『読みっぱなし』にする」ことである。

【5】「メモ」をとらず「読みっぱなし」にする

本を読んで「気になったところ」があっても、「メモ」もとらず「読みっぱなし」にしてしまっている人はいないだろうか。これでは、せっかく「いい本」を読んでも何も残らず、「知肉」にはつながらない。

そこで、「気になるところ」が出てきたら、紙の本なら「付箋」を貼り、電子書籍なら「ハイライト」などの機能を使って「視界に入っているうちに」チェックをしておこう。

そして、チェックしたところはそのままにせず、電子書籍なら「メモアプリ」などにコピペする。紙の本ならノンブルとともにメモをしておく。文章は一字一句正確に書き写す必要はなく、意味がわかる程度にまとめるだけでいい。

メモをする際、自分の短い感想を加えておくといいが、「面白い」「感動した!」というような内容のない「ふわっとした感想」はNGである。あとから見返しても「何に面白いと感じたのか」がわからなくなってしまうので、短い感想でいいので、できるだけ具体的に書くのがコツである。

「楽しみな読書」から「知肉」を育てる

「本を読む」という行為は「強制」ではない。もちろん、強制的に本を読まなければならないケースも、時にはあるだろう。仕事で覚えなければいけないスキルのための実用書とか、プロのライターがメディアに書評を書く場合などがそうだ。

しかし、そういう強制の読書でない場合には、自分の中に「強制」を課す必要はない。もっと自由に本を読めばいいのだ。

読書を「勉強の本」「娯楽の本」と分けてバランスを考えるのではなく、勉強の本も娯楽の本も、すべて「自分にとって楽しみな本」にインテグレーション(統合)してしまうのだ。

そういう考え方に持っていけば、読書はぐんと楽しくなる。どんどん「知肉」が育ち、自分の成長へとつながっていく。みなさんも、ぜひ「楽しみな読書」から「読書スキル」と「知肉」をいっきに育てていってほしい。

佐々木 俊尚 作家・ジャーナリスト

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ささき・としなお / Toshinao Sasaki

1961年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。毎日新聞記者、『月刊アスキー』編集部を経て、2003年よりフリージャーナリストとして活躍。ITから政治、経済、社会まで、幅広い分野で発言を続ける。最近は、東京、軽井沢、福井の3拠点で、ミニマリストとしての暮らしを実践。『レイヤー化する世界』(NHK出版新書)、『そして、暮らしは共同体になる。』(アノニマ・スタジオ)、『時間とテクノロジー』(光文社)など著書多数。

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