東京外国為替市場のドル・円相場は続伸し、1ドル=118円に接近した。週内に米連邦公開市場委員会(FOMC)と日本銀行による金融政策発表を控えて、日米間での金融政策の方向性の違いを意識したドル買い・円売りが継続。ウクライナ危機による商品価格高騰で日本の貿易赤字のさらなる拡大が見込まれてることも、円の先安観を強めた。
市場関係者の見方
りそなホールディングス市場企画部の梶田伸介チーフストラテジスト
- テクニカルには17年1月高値の118円60銭あたりが視野に入ってきている状況
- FOMCは0.25%の利上げ、場合によってQT(量的引き締め)の詳細が出てくる可能性。ウクライナ情勢もあるが、基本はインフレ警戒で少なくとも利上げは徐々にやっていくとの認識は変わらないだろう
- 政策格差はドル・円下支え要因になるが、円安に拍車がかかると18日の黒田東彦総裁会見が注目に集まる。これまで明確に円安を嫌気する発言はなかったが、18日に近づくと警戒感も出て118円台はいったん上値は重くなるかもしれない
しんきんアセットマネジメント投信の加藤純チーフマーケットアナリスト
- 年初の高値116円35銭を超えたので、今週にも16年12月高値の118円66銭が視野に入る
- FOMCでどんなタカ派の話が出るかも分からない状況で、ドルを売って向かう感じではない。思惑買いなので事実が出た時点でいったんは収束すると思うが、それで116円を割るかというと厳しい
- 黒田総裁の会見では記者に質問されたら、為替は安定的に推移するのが望ましいくらいの話は出てくるだろうが、わざわざけん制するレベルではないと思っているだろう
背景
- アジア時間14日の取引で米国債相場が下げ拡大。米利上げを控えて5年債利回りが2%突破
- FOMC、金利軌道に慎重とエコノミスト-不透明感増す中で15~16日に会合
- 日銀は17~18日の金融政策決定会合で現行の緩和政策を維持する見込み
- ウクライナ侵攻は日銀緩和の長期化要因、物価高で景気圧迫-サーベイ
- 磯崎官房副長官:為替の安定は重要、動向を注視したい
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著者:小宮弘子
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