新幹線「のぞみ」誕生30年、ちょっと気になる話 特急料金はなぜ高い?今後のスピードアップは?

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車両はさておき、実際に「のぞみ」を利用すると不満に思うことがあるかもしれない。「ひかり」「こだま」より料金が高いことである。

「のぞみ」は指定席特急料金がほかの東海道・山陽新幹線の列車に比べて高い。「ひかり」「こだま」は東京―新大阪間で5490円だが、「のぞみ」は5810円で、320円の差がある。現在のように「のぞみ」が圧倒的な主力となった中でも価格差を設けているのは、ちょっと気になるところではないか。

N700S(確認試験車)の普通車室内。車両が同じでも「のぞみ」指定席特急料金は「ひかり」「こだま」より高い(撮影:尾形文繁)

また、JRグループによる高齢者向けの会員制サービス「ジパング倶楽部」はJRの乗車券、各種料金(特急券など)が割引になるが、「のぞみ」の場合は乗車券のみが割引対象だ。また、訪日旅行者向けの「ジャパン・レール・パス」も、「のぞみ」は自由席も含め一切利用できない。コロナ禍前は「ひかり」に乗ると外国人が多いのに気づく人も多かっただろうが、これが理由だ。

実は一度値下げした料金

なぜ「のぞみ」は特別扱いなのか。まず特急料金について聞いてみた。JR東海はその理由として、東京・名古屋・大阪の三大都市間を直行する速達性と高いフリークエンシーというサービス特性があり、その対価として専用の指定席特急料金を設けているという。もっとも、「のぞみ」の特急料金は一度大幅に値下げしており、2003年までは例えば東京―新大阪間だと「ひかり」「こだま」に比べて970円も高かった。

初代「のぞみ」の300系(写真:写楽KAZ/PIXTA)

また、ジパング倶楽部やジャパン・レール・パスに関しては、「ひかり」「こだま」に比べて「のぞみ」は自由席も含め平常時に混雑が見込まれるため、大幅に割引を行っている切符については通常の運賃・料金などで利用する乗客とのバランスに配慮し、一定の利用制限を設けているという。

一方で、自由席特急料金は「ひかり」「こだま」と同額だ。当初「のぞみ」には自由席がなかったが、2003年10月のダイヤ改正の際に1~3号車に設けられた。同ダイヤ改正で東海道新幹線は「のぞみ」が主体となったため、「ひかり」「こだま」の各自由席との乗り継ぎにより主要駅と各駅の間の利便性を高める狙いがあった。例えば新大阪から名古屋まで「のぞみ」に乗車し、そこで乗り換えて三河安城まで利用するというケースなどだ。

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