新幹線「のぞみ」誕生30年、ちょっと気になる話 特急料金はなぜ高い?今後のスピードアップは?

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現在、「のぞみ」の最高速度は東海道新幹線区間が時速285km、山陽新幹線区間が300km。車両はN700系(N700A)と最新鋭のN700Sが使われている。最高速度は当初が時速270kmで、1997年に山陽新幹線区間は後述の500系投入により時速300kmにアップ。東海道新幹線区間は2015年に時速285kmに引き上げられた。

過去に運用された車種は300系、500系、700系の3種で、「のぞみ」の定期列車に使われた期間は300系が1992~2001年、500系が1997~2010年、700系が1999~2012年と、いずれも10年ほどで主役の座を後継車種に譲っており、進化の速さを感じさせる。定期列車の「のぞみ」に使われている期間を考えると、2007年にデビューしたN700系はすでに一番長い。

これらの車両の中でも、シャープなフォルムに戦闘機を思わせる先頭デザインで「みんな大好き」な新幹線の代表格だったのが500系だろう。今も山陽新幹線区間の「こだま」で8両編成で走行している。500系はJR西日本が独自開発し、JR東海は同型車両を保有しなかった。「のぞみ」に使われたほかの車両は両社が保有しているので、その点でも唯一の存在だ。

人気は高いが「異端車」

500系が登場したのは、1997年11月29日。博多―東京間を4時間49分で結んだ。山陽新幹線区間での最高速度は時速300km。近未来的な車両は多くの鉄道ファンや子どもたちを魅了した。しかし、2010年2月28日に「のぞみ」での500系の運行は終了した。

2010年2月28日、500系「のぞみ」ラストランの日の東京駅新幹線ホームには多くの鉄道ファンらが詰めかけた(写真:今井康一)

最高速度の面ではN700系に劣らないにもかかわらず撤退したのは運用面の都合だ。時速300km運転のために尖った形状の影響で先頭車両には前側のドアがなく、座席配置を共通化している300系や700系、N700系とは配列が異なっていた(座席定員は1324人で、ほかの系列より1席多かった)。東海道区間で時速285km、山陽区間で時速300kmの最高速度が出せるN700系が増備されると、規格の統一化と運用の柔軟性を持たせるために、「のぞみ」から500系は姿を消した。

ちなみに、現在の東海道新幹線では、東海道区間内だけを走る列車でもJR西日本所属の車両が使用されることがある。車両内には所属会社の記されたシールが貼られているが、ほかにも車内のチャイムがJR東海は「AMBITIOUS JAPAN!」、JR西日本は「いい日旅立ち・西へ」と違うので、これでも乗っている車両がどちらの所属かわかる。

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