ビームスが「VRから店舗への送客」に成功したワケ 人が人を引き寄せることで「物が売れる」構図

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そしてデータ販売に関しても、ここでしか手に入らない限定要素の強いアバターを展示販売する。

メタバース内で普段から着るアバターとは違った可愛らしさで注目を集めた、PUI PUI モルカーのコラボアバター。他にもキン肉マンのソフビフィギュアや、境界戦機のコラボアイテムが販売された(画像:ビームス)

「1回目のチャレンジで得た知見を基に、子どもに人気のテレビ東京のアニメ『PUI PUI モルカー』とのコラボ商品やアバターのほか、コレクターズアイテムとなるフィギュアをご用意しました」(木村さん)

「PUI PUIモルカーのアバターの売れ行きがとても良かったんです。リアルの商品と同じくらい売れたというか、リアルじゃないものがこんなにも売れるのかとびっくりしました。アバターというのはメタバースのなかでファッションそのものであるということがわかりましたね」(木下さん)

メタバース内でのコミュニケーションが送客につながる

ユーザーにとって居心地がよく、楽しめる場所であることが大事。結果としてその場所で販売されている商品への注目度も高まるという知見を得たビームスは、バーチャルマーケット2021(2021年12月)でも、体験を楽しみ、買い物を楽しむバーチャルショップを展開した。

「2階はNetflix映画『浅草キッド』とのコラボで、昭和時代の浅草を再現した場所としました。普段からメタバースにアクセスしている人たちと雑談できる居場所が欲しいと話して、居酒屋スペースを作り、また劇場スペースは自分のアバターで劇中の大泉洋と柳楽優弥が踊ったタップダンスを実演できる場所にしました。みんなが面白がってシェアしてくれるだろうと考えたんですね」(木村さん)

自分のアバターでタップダンス体験ができるバーチャル浅草フランス座をはじめ、古き時代の浅草をモチーフとしたミニワールドを用意。自撮りや2ショットを撮るための人気スポットになっていた(画像:ビームス)

「メタバースやバーチャルマーケットの中で遊ぶ方々は、自分のアバターに愛着があり自分で衣装を変えたり改変して楽しんでいる、VR玄人の方が多いことがわかりました。そしてバーチャルショップでオリジナルアバターを販売してみて初めて、ご来店したお客さまから『こういうのが欲しい』『こうしたらもっと使いやすくなる』という多くのリクエストをいただきました。そこで、リアルファッションをやっている我々だからこそ、バーチャルとクロスオーバーできる要素があるということがわかってきたところですね」(木下さん)

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