JR「春のダイヤ改正」で意外に便利になる区間 運転間隔の統一など変化は「減便」だけじゃない
そして、JR東日本史上の歴史的大転換と言えるのが、山手線と京浜東北線快速の新ダイヤだ。
平日の日中のみではあるが、山手線と京浜東北線快速の運転間隔が5分おきに統一される。田町と田端では山手線内回りと京浜東北線大宮方面行きの発車時刻が同じになり、田町では山手線外回りと京浜東北線蒲田方面行きも同時発車になる。
このほか、田端では山手線外回りと京浜東北線大宮方面行きの発車時刻が1分差で、山手線から京浜東北線への乗り換えは遅れがない限り確実になるだろう。品川も京浜東北線大宮方面行きと山手線外回りが同じホームで1分待ちで接続する。私鉄では当たり前ともいえる、快速と普通が接続するダイヤがようやく実現する。
これにより、山手線と京浜東北線快速を乗り継ぐことで池袋―上野間は3分、巣鴨―品川間は5分、駒込―大崎間(東京経由・田端と田町で乗継)も5分短縮となる。また、上野、秋葉原、神田、東京では山手線と京浜東北線の発着がかぶることがなくなり、両線合わせて2〜3分おきの発着となる。
ダイヤのサイクル統一の試みは仙台都市圏でも見られる。仙石線は減便で日中20分サイクルダイヤとなる。1時間当たり4本の時間帯もあるが、そこだけ15分間隔にするのではなく、例えば仙台駅石巻方面は毎時09、29、49発を基本に、12時台と14時台は19分発を追加するといった具合で基本の20分サイクルは崩れない。
東北本線の仙台―岩沼間も20分サイクルダイヤなので、これなら乗る列車によって仙台での乗り継ぎ時間がばらつくことがなく、使いやすいものになる画期的なダイヤ改正だ。仙台空港アクセス線も14時台に1本増発で完全な20分おきダイヤとなる。
東海道新幹線は「接続」で所要時間短縮
ダイヤ改正のたびに細かい改良を繰り返してきた東海道新幹線は、「のぞみ」が停まらない駅を発着する場合の所要時間短縮にも切り込んだ。
早朝・夜間の「こだま」「ひかり」を名古屋で「のぞみ」に乗り換え可能にすることで、例えば米原から東京への所要時間が2時間5分から1時間57分へ8分短縮。小田原から広島へは3時間46分から3時間31分へ15分短縮、博多から静岡へも4時間15分から4時間6分へと、9分短縮される。利用がそれほど多くないであろう区間であっても、1分でも所要時間を削ろうという努力が見られる。
東海道新幹線の接続改善による到達時間短縮は在来線をも巻き込んで行われる。これまで23時16分発だった快速豊橋行きが23時28分発に繰り下げられ、名古屋23時20分着の上り最終「のぞみ78号」から乗り換えできるようになる。これによって、従来は23時57分発の区間快速豊橋行きを利用せざるをえなかったのが、豊橋へより早く到着できるようになる。
中央線の名古屋―中津川間は、これまで通勤時間帯を中心に最大10両編成で運転していたが、新車投入に合わせてすべて8両編成に統一される。その分、平日朝の通勤ピーク時間帯に上り列車が3本増発される。車両は快適になり、乗車チャンスも増えて一石二鳥だ。一方で、朝ラッシュ時のホームライナー1本と夕方ラッシュ時のホームライナー3本が廃止される。有料着席列車を増やす首都圏や関西圏とは逆行した改正だ。静岡県内でも土休日のライナーが全廃となる。
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