JR「春のダイヤ改正」で意外に便利になる区間 運転間隔の統一など変化は「減便」だけじゃない

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JR西日本の京阪神エリアも、「ご利用に合わせた列車の見直し」が行われる。つまりは減便だ。だがこれによって、朝のJR神戸線は10分サイクルのダイヤになりわかりやすくなる。普通が5分おき、快速と新快速が交互に10分おきの運転となる。もともと、少し本数を減らすと10分サイクルのダイヤになるような本数だったが、今回の減便ダイヤ改正でその通りとなった。JR宝塚線の快速電車の本数もこれに合わせてか、1時間に9本=20分間に3本というダイヤになる。

ほかの路線でも運転間隔が統一される。大阪環状線は4分おきに統一。同線と線路を共用する阪和線や大和路線は12分サイクルダイヤに統一される。阪和線では普通列車の間隔はランダムなままだが、快速列車は少し本数が減るものの6分おきに統一され、このうち半数は環状線直通快速となり、天王寺行きと交互の運転になる。大和路線も主に普通列車を削減したうえで普通列車12分おき、快速6分おきとなり、このうち半数が環状線直通の区間快速となり、JR難波行きと交互の運転になる。

有料着席通勤の充実は関西圏でも同じだ。運転を取りやめていた朝ラッシュど真ん中の特急「はるか7号」(新大阪7時44分着・天王寺8時07分着)の復活や、特急「くろしお6号」の新大阪着時刻がこれまでの7時50分から8時05分に変更される。

日中1時間1本になる路線も多い

ただ、日中帯は減便が目立ち、その点では厳しいダイヤ改正だ。新快速も例外ではない。琵琶湖線では9~15時台の新快速米原行きが草津折り返しとなり、草津―米原間は普通列車が毎時2本あるものの、新快速は主に近江塩津発着の毎時1本のみとなる。

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このほか、11~14時台を中心に毎時2本から1本に減るのは湖西線(近江舞子―近江今津間)、嵯峨野線(園部―亀岡間)、学研都市線(同志社前―木津間)、加古川線(厄神―加古川間)、姫新線(姫路―播磨新宮間、このうち姫路―余部間は13時台のみ毎時1本に)の各線だ。草津線(草津―貴生川間)、万葉まほろば線(奈良―桜井間)、和歌山線(王寺―高田間)は平日のみ11~14時台が毎時1本になる。路線ごとに減便する時間帯は異なるが、利用には注意が必要だ。

いかがだったであろうか。JR東日本名物といってもいい長距離無停車の通勤快速が有料の特急に実質置き換えになるあたり、長距離通勤者は身体の負担を取るか料金の負担を取るかに分かれる時代になり、郊外に住んで電車で通勤する傾向がますます縮小していくのではないだろうか。

一方で山手線と京浜東北線快速の運転間隔統一と接続サービスの開始には驚かされた。筆者の周囲からも、山手線のドアが開く瞬間に京浜東北線快速のドアが閉まり、車掌さんに「いじわる〜!!って叫んだことがある」という声が出ていた。コロナ禍で利用客の減少を少しでも食い止めるべく、これからもこうしたダイヤ改善が進むことに期待したい。

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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