JR「春のダイヤ改正」で意外に便利になる区間 運転間隔の統一など変化は「減便」だけじゃない

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次なる驚きは、成田エクスプレスが「日中も」千葉停車になることだ。コロナ禍で空港利用者が減る中での利用獲得策であることは想像にかたくない。ついに毎時2本のうち半数が千葉停車となり、日中も新宿から千葉まで乗り換えなしの着席サービスが実現する。

成田エクスプレスは日中も千葉駅に停車するようになる(写真:ARIAKE787/PIXTA)

また、総武線快速は朝・夕の通勤快速が廃止となる。代わりに快速が設定され、物井・稲毛・津田沼・市川・新小岩・馬喰町・新日本橋駅に停車する列車の本数が増える。これらの駅利用者は利便性が向上するが、千葉―東京間の所要時間は最大で7分拡大する。

続いてはお隣を走る京葉線。こちらは東京駅8時10分着の特急「さざなみ」が新設され、朝ラッシュど真ん中での有料着席通勤が実現する。……というと聞こえはいいが、代わりに東京駅7時47分着と7時59分着の通勤快速が各駅停車に変更され、前者は17分、後者は12分も所要時間が延びる。なんだかなぁ……と思うのは筆者だけだろうか。

夜遅い通勤特急は消えゆく運命

一方、中央線系統も通勤時間帯に変化があり、新宿8時42分着の特急「かいじ」が時刻変更によって設定される。こちらもその代わりに、現在は新宿8時42分着の大月始発の通勤特快が8時52分着の快速に変更となる。急ぎたい人は課金せよという姿勢が露骨である。

また、八高線・五日市線との直通列車はすべて廃止となる。一方で、青梅4時35分発の立川行きが東京までの直通に変更され、青梅からでも東海道新幹線の始発のぞみ1号に乗れるようになるのは改善点だ。

そしてなぜ今までメスが入らなかったのが不思議な中央・総武線各駅停車の千葉方面行きが、ようやくラッシュ時に4本減便する。そもそもコロナ前から乗車率の低い列車(朝ラッシュ時の最混雑率99%/2019年・代々木→千駄ケ谷)だった。

中央線は平日日中の下り特快も毎時5本から4本になる。夕方~夜の通勤時間帯も変わり、東京23時00分発(新宿23時15分発)の特急「はちおうじ9号」が廃止となる。ほかにも東京22時15分発(新宿22時30分発)の「はちおうじ7号」は時刻を15分繰り下げたうえで臨時列車化される。

この手の有料着席通勤列車は、私鉄だと深夜の運行を取りやめる代わりに17時台など早い時間帯にシフトするケースが多いが、JRは単純に削減する傾向が強い。高崎線でも上野21時00分発・22時00分発の特急「スワローあかぎ」が臨時列車化される。

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