電気自動車(EV)ベンチャーが続々勃興! カリフォルニアで繰り広げられる熱き戦い

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「電気自動車市場は、家族向けの車セダンでは競争が激化するばかり。弊社はスポーツカー市場を目指す」というのは、サバ・モーターズのサイモン・サバ社長。

 サバ氏はレーザーや光ファイバー関連の会社に勤め、定年退職後、電気自動車を作りたいという情熱にかられて退職金投じて電気自動車を作った。その車で、先進的な技術開発や挑戦に賞金を出すことで世界的に著名なNPO、Xプライズ財団の競技会に参加、同財団からお墨付きをもらった。

「パソコン事業はアウトソーシングの時代になった。電気自動車も同じ。部品を自ら作るのではなく、優れたパーツを集めて組み立てることが、電気自動車市場で成功する鍵」という。

サバ氏は、自動車産業での経験がないことが、逆に大胆で優れた電気自動車を作ることにつながる、と断言している。自分自身が、各界の専門家に聞いて、電気スポーツカーを作り出すことができたからだという。

 

 

サバの電気スポーツカーの最高速度は時速168キロで、約5秒で時速100キロ以上まで加速できる。もちろん排出ガスはゼロ。メンテナンスも簡単だ。価格は4万5000ドル(連邦税額控除後)。サバ・モーターズは目下、投資家を探しているところだ。

グリーン・ヴィークルズ社のTriacは、後部車輪が1つの3輪自動車。マツダのオート3輪を前後さかさまにしたような形だ。価格は2万0995~2万4995ドルと安い。2011年初頭に2000台を出荷する予定という。

不況とはいえ、環境問題への懸念から、世界の消費者はグリーンな製品への関心度を高めている。電気自動車事業は、競争が激しいとはいえ、大きく成長することは間違いない。見逃せないビジネスである。
(Ayako Jacobsson =東洋経済HRオンライン)

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