賛否両論の「お泊まりデイサービス」 厚労省の狙いは規制強化か

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 「特別養護老人ホームのショートステイ利用が困難な認知症高齢者の事情に配慮した」と東京都の狩野信夫・高齢社会対策部長は語る。

一方、自治体主導の取り組みとは別に、ここ2~3年の間に、1泊わずか800~1000円という破格の低料金で高齢者を宿泊させる介護保険外の新サービスを提供する企業が相次いで登場している。

最大手の日本介護福祉グループは、空き民家を借り上げた小規模デイサービス事業(利用定員10人以下)をフランチャイズ(FC)方式で全国展開する。「茶話本舗」と銘打った同社の事業所は直営・FC合計で278カ所に上っている。

1泊800円の真相

それにしても、なぜ800円(茶話本舗の場合)という超低価格で泊めることができるのか。斉藤正行・日本介護福祉グループ副社長は「新たな設備投資が不要なことで低価格を実現した」と語る。その一方で、小規模デイサービスに対する介護保険報酬(昼間の介護に関するもの)を原資に、格安の宿泊料金を実現していることも確か。利用者を早期に集めたうえで高い稼働率を達成するのが前提だ。

民間企業の共通点は、長期にわたる連泊が可能だということ。茶話本舗の場合、要介護3の人が1カ月泊まり続けた場合の総費用は10万円強。特別養護老人ホーム並みに安く抑えている。「生活保護受給者を含めて、家計に余裕のない方も利用できる」(斉藤氏)という。

ただ、格安サービスに対しては「質に問題がある」(ケアマネジャー)との見方も少なくない。斉藤氏はそうした見方を否定したうえで「利用者本位で作った仕組みにもかかわらず、ビジネスモデルに対して否定的な声が少なくない」と嘆く。「インターネットカフェや飲食業など、介護事業の実績のない異業種企業が、当社のビジネスをまねて次々と参入してきている。実績の乏しい企業と一緒くたに見られている」(同氏)。

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