木村惠司・三菱地所社長--不動産投資に比較優位性、規制緩和進めば外資進出


──オフィスの環境対策は世界共通の課題ですが、三菱地所ではどんな具体策を実施していますか。

環境性能の向上は重視していて、この4月から「新丸の内ビル」で「生グリーン電力」の活用を始めている。「生グリーン電力」とは、電源に風力を最低でも50%使い、残りはバイオマスや水力で賄う電力のことだが、当社では青森県にある出光興産の子会社からこれを購入し、「新丸の内ビル」で使用している。これだけで年間3万トンを排出していたCO2の内2万トンを削減できた。また、丸の内全体の環境性能を高める取り組みにも力を入れている。

たとえば、ヒートアイランド対策だが、東京都と共同で「丸の内ビル」の中水を処理して、夜中に行幸道路に撒水。翌日の気温上昇時に冷却効果を発揮している。さらに、現在、知的照明システムと輻射冷暖房システムを研究中だ。知的照明というのは標準で750ルクスの室内照明を各自が自席で最適照明に調整できるシステム。一方、輻射冷暖房は壁内に敷設されたパイプに夏場は水、冬場はお湯を流すことで、温冷風を使わず輻射熱を利用するもの。これによって随分、電気代の節約が可能だ。

海外は米・英・東南アの3拠点体制が始動

──今期は三菱地所の中期計画の最終年度です。これまでの経済環境の激変で、目標未達事業がいくつかありますが、これらにどう対応していきますか。

たとえば住宅事業。首都圏のマンション供給戸数が8万戸を超える時期がしばらく続き、この調子で行くかなと見ていた。その結果、販売価格が上がり、お客様の目線から離れてしまった。在庫も随分膨らんだが、前々期と前期の2期にわたって大幅な在庫評価損を計上し、大分整理もついた。今年の年明け以降に売り出した物件はお客様の目線にも合い、売れ行きも順調だ。

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