木村惠司・三菱地所社長--不動産投資に比較優位性、規制緩和進めば外資進出

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木村惠司・三菱地所社長--不動産投資に比較優位性、規制緩和進めば外資進出

日本でオフィス賃料がいちばん高いといわれる東京・丸の内。三菱地所は現在、この丸の内を約20年かけて高層化する再構築事業を展開中だ。今年は明治期の最初のオフィスビル「三菱一号館」を復元し、美術館としてオープン。最先端オフィスと歴史、文化の融合にも注力する。丸の内という厚い事業基盤に支えられた同社だが、オフィス空室率の上昇や住宅、海外事業で課題も少なくない。次の一手をどう打つのか──。木村惠司社長に聞いた。

──東京のオフィス市況の現状をどう見ていますか。

現在、丸の内の空室率は3%台だが、東京都心5区では9%を超えて、過去最悪を更新している。ただ、空室率の天井は近いとの認識だ。実際、ここへきて大規模ビルの空室率は下がっている。背景の一つとして、企業・事業部間の統合や合併の増加がある。文化風土の異なる会社同士が融合を目的に一緒になるため、より大きなフロアスペース需要が出て来ているようだ。

過去の経験からすると、空室率が低下してくれば、タイムラグを置いて賃料も底打ちする。10~11月に空室率が低下へ向かえば、来春には賃料も上昇軌道に乗ってくると期待している。ただ、2013年までビル供給が増える見通しで、立地や環境設備のスペック、ワンフロアの広さによって、ビルの選別は一段と強まる。どんなビルでも貸せる時代は終わった、との認識で対処している。

──しばらく後退していた、海外企業の進出状況はどうですか。

日本の企業と連携したいといった需要は根強いだけに、いくつかのボトルネックを解決できれば、進出はもっと盛んになると見ている。たとえば、空港と都心を結ぶ交通アクセスの改善や、実効税率が40%の法人税の引き下げ、あるいは英語のできる人材をもっと供給できる体制作りといった問題の解決だ。規制緩和はさらに必要となる。

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