木村惠司・三菱地所社長--不動産投資に比較優位性、規制緩和進めば外資進出


 シンガポールは法人税が17%。社員の70~80%は、シンガポール側で英語のできる人材を供給できる状況にある。日本でも4~5年の間に、外資系企業がもっと進出しやすい環境を整備していくべきだ。

──外資系ファンドなどの投資家の動きは依然低調ですか。

日本経済の低迷から海外の投資家も大きく減少したが、オフィス投資市場という観点から見ると、実は日本は世界的に見て優位性がある。法制度がきっちりしているほか、政治的にも安定している。市場規模も環太平洋地域ではオーストラリアよりも大きい。その意味では日本への投資意欲は十分に見込めるので、マーケットに回復感が出てくれば資金は確実に入ってくる。今は投資家がタイミングを見極めている時だ。

国際的な都市間競争を意識し環境性能高度化

──今後のオフィス開発計画についてお聞かせください。

当社は現在、大手町、丸の内、有楽町の「大・丸・有」で30棟のビルを保有しているが、そのうち丸の内再構築計画の第1ステージとして、1998年からの10年間で5000億円をかけて6棟を建て替えた。次の10年間では4500億円を投下し、7~8棟を建て替える予定だ。いうまでもなく「大・丸・有」は三菱地所の収益基盤だが、同時に日本の中心として、国際的にも評価される街づくりを考えている。

──ここへきて環太平洋の都市間競争が激しくなっていますが、三菱地所はどう対応していますか。

直近の例では、この7月、「丸の内インド・エコノミック・ゾーン」を開設した。これはインド企業と日本企業の橋渡しをする場所で、誘致や進出を検討している企業に対して双方の法制度や会計、人脈などについて助言をするほか、技術提携のマッチング支援も行う。また、12年9月の竣工予定で、大手町に建設中の三菱総研ビルに「金融教育・交流センター」と「国際医療サービス施設」を設置し、国際的な金融パーソンの育成や、外国人も利用できる医療サービスを開始することにしている。

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