子供の自己肯定感を「下げる親」「上げる親」の違い 東大理三に3男1女を入れた佐藤ママの声かけ

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私の両親は、私を怒ることはほとんどなく、いつも褒めてくれました。でも、唯一私に否定的な言い方をしたことがあります。それは私の足の遅さです。両親はともに足が速かったから、遅い子の気持ちがわからなかったんでしょうね。

小学校の運動会で、徒競走を見た両親からは「スローモーションを見ているみたいだった」と言われ、同じ学校に子どもを通わせている父の友人からは「お父さんもお母さんもメチャクチャ足が速かったのに……」と言われました。大人は何気なく言っていただけかもしれませんが、走るのが遅いのはどうしようもないことなのに、周りからひたすらそのことを言われ、私は嫌でしたね。だから運動会が大嫌いでした。

親の言動で自己肯定感を持たせることが大切

大学生のとき、健康教育の授業で「運動会の想い出」を聞かれて、そのことを話したら、先生がけげんそうな顔で「ご両親は、日曜日に運動会の練習をしてくださらなかったの?」とおっしゃいました。その言葉を聞いて、「両親が速く走るコツを教えてくれていたら、もう少し速く走れたかも」と思いましたね。練習して少しでも速く走れるようになったら、ちょっとは運動が好きになったかもしれません(笑)。 運動に関しては自己肯定感をまったく持てなかったので、いまだに運動は嫌いなのです。

小学生までの子どもに何か苦手なものがあるとき、勉強なら「一緒に勉強してみようか」と声をかけて教えてあげてください。運動なら「一緒に練習してみよう」と声をかけて練習につき合ってほしいですね。

9歳ぐらいまでの勉強や運動なら親も教えられると思います。一緒にやって少しでもできるようになれば「できるようになったね」と褒めてあげましょう。親の言動で自己肯定感を持たせることが大切です。

佐藤 亮子 「東大理Ⅲに合格した3男1女」の母

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さとう りょうこ / Ryoko Sato

大分県出身。津田塾大学卒業。大分県内の私立高校で英語教師として勤務。結婚後、夫の勤務先の奈良県に移り、専業主婦に。長男、次男、三男、長女の4人の子どもを育てる。長男、次男、三男は灘中学・高等学校を経て、東京大学理科III類に進学。長女は洛南中学・高等学校を経て、東京大学理科III類に進学。現在、長男、次男、三男は医師として活躍。長女は東大医学部の学生。その育児法、教育法に注目が集まり、全国で講演を行う。『頭のいい子に育てる 3歳までに絶対やるべき幼児教育』(東洋経済新報社)ほか著書多数。

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