子供の自己肯定感を「下げる親」「上げる親」の違い 東大理三に3男1女を入れた佐藤ママの声かけ

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私の両親は、私を怒ることはほとんどなく、いつも褒めてくれました。でも、唯一私に否定的な言い方をしたことがあります。それは私の足の遅さです。両親はともに足が速かったから、遅い子の気持ちがわからなかったんでしょうね。

小学校の運動会で、徒競走を見た両親からは「スローモーションを見ているみたいだった」と言われ、同じ学校に子どもを通わせている父の友人からは「お父さんもお母さんもメチャクチャ足が速かったのに……」と言われました。大人は何気なく言っていただけかもしれませんが、走るのが遅いのはどうしようもないことなのに、周りからひたすらそのことを言われ、私は嫌でしたね。だから運動会が大嫌いでした。

親の言動で自己肯定感を持たせることが大切

大学生のとき、健康教育の授業で「運動会の想い出」を聞かれて、そのことを話したら、先生がけげんそうな顔で「ご両親は、日曜日に運動会の練習をしてくださらなかったの?」とおっしゃいました。その言葉を聞いて、「両親が速く走るコツを教えてくれていたら、もう少し速く走れたかも」と思いましたね。練習して少しでも速く走れるようになったら、ちょっとは運動が好きになったかもしれません(笑)。 運動に関しては自己肯定感をまったく持てなかったので、いまだに運動は嫌いなのです。

小学生までの子どもに何か苦手なものがあるとき、勉強なら「一緒に勉強してみようか」と声をかけて教えてあげてください。運動なら「一緒に練習してみよう」と声をかけて練習につき合ってほしいですね。

9歳ぐらいまでの勉強や運動なら親も教えられると思います。一緒にやって少しでもできるようになれば「できるようになったね」と褒めてあげましょう。親の言動で自己肯定感を持たせることが大切です。

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