中年ゆえに陥る「キャリア迷子」を抜け出すコツ やりたいことがない時に自問したい2つの質問

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②やりたくないことは何か?

もう1つは、やりたくないことを考えてみることです。

世の中の画期的な商品や革新的なサービスは、人々のちょっとした不満から生まれることがよくあります。

あるメーカーは、SNSでユーザーの不満をポイントで買い上げる「不満買い取りキャンペーン」をやっていたくらい、不満というのは新しい価値を生み出すパワーになるというわけです。そこで、やりたいことが見つからないときも、やりたくないことから考えてみましょう。

満員電車に乗りたくない。1日中デスクに座っていたくない。そんな簡単なことでもいいのです。あるいは、人に喜ばれない仕事はしたくないとか、環境に悪い商売はしたくないとか、観念的なことでもいいでしょう。

たった1つのゴールにこだわらなくていい

誰かにやってあげたいことや、やりたくないこと。これらを考えてみると、自分の向かうキャリアの方向性が見えてきます。これからのキャリアでは、やりたいことにこだわるよりも、自分がどんな状態になれば幸せかを見据えることが大事になります。それは他人と比べて成否を決められるものではありません。キャリアが成功かどうかを決めるのは、あなた自身です。

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最先端のキャリア開発である「プロティアン・キャリア」では、これを「心理的成功」と呼んでいます。

キャリアのゴールややりたいことは無理やり決めても意味がありません。「決めなければいけない」のではなく「見つけていくもの」です。最初から理想のキャリアに向かって一直線に歩んでいる人など、多くありません。ふと過去を振り返ったとき思わぬ意味に気がつき、道がひらける。あなたにもそんな経験はないでしょうか。キャリアとは人生の紆余曲折のなかで形づくられていくものだと思います。

私自身、今でこそキャリア支援の仕事をしていますが、最初から強烈にやりたいことがあったかというと、そうではありません。ごく平凡で、やりたいことも強みもわからず、周りに流されやすい会社員でした。それに、40歳になるまでに5回も転職。やりたいことに一直線に向かっていく人とはまったく違って、右へ左へ、前へ後ろへと紆余曲折を経てきたのです。

もし「今のままでいいのか」と悩んでいるとしても、やりたいこと探しを焦る必要はありません。それよりも大切なのは、自分がどんな価値観で生きているかを確かめること、そしてこれまで歩んできた人生にどんな意味があるのかを知ることです。それが足がかりになって、心理的成功へ向かうために「今やるべき行動」が見えてきます。

有山 徹 一般社団法人プロティアン・キャリア協会代表理事

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ありやま とおる / Toru Ariyama

4designs株式会社founder、代表取締役CEO。1977年、東京都日野市出身。早稲田大学卒業。大手食品メーカー、経営コンサルティングを経て、2019年、数度のキャリアチェンジをした自らの経験を生かし、キャリア支援サービスを行う4designs株式会社を設立。同年、法政大学の田中研之輔教授とともにプロティアン・キャリア協会を設立、代表理事に就任する。
個人向け「プロティアン・キャリア戦略塾」、法人向け「プロティアン化組織変革サービス」を提供し、大手企業へのサービス導入実績も多数。

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