登校をしぶる子にやってはいけない致命的な言動 自己肯定感が低くなる生活環境に置いていないか

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実は、不登校には子どもの「自己肯定感の低さ」が関係しています。

自己肯定感とは、自分の存在意義や価値を肯定できる感覚のこと。

その自己肯定感を低くさせるのが、大人からの「どうしてできないの?」「なんでやらないの?」といった発言です。

今の時代を生きる子どもたちは、課題、部活、塾、習いごとなど、やるべきことがたくさんあります。

そして、子どもはやるべきことに向き合うたび、「〇〇しなければならない。でも、できない」「〇〇しなければならない。でも、やりたくない」というように自分の感情と戦っています。

不登校になる前から不登校は始まっている

こうした感情との戦いの末、子どもが自分の気持ちを優先し、「できない」とか「やらない」という選択をすると、結果的に大人からは認めてもらえず、「どうしてできないの?」「なんでやらないの?」などと言われることになります。

それを日常的に繰り返すうちに、子どもは「自分はダメな人間なんだ」と思うようになり、徐々に自信を失い、何かトラブルが起こった時、耐えることができなくなっていきます。 つまり、親からすると不登校は急に始まったように思えますが、子どもの心理から見てみると「不登校になる前から不登校は始まっている」ということが言えるのです。

不登校の子どもを持つ親は、たとえば、友だちとトラブルがあった、先生にきつく言われた、など子どもに大きな影響を与える何らかの「きっかけ」があった結果、子どもが学校に行けなくなったと思いがちです。

しかし、たとえそうした出来事があったとしても、それは不登校になる「きっかけ」であり、「原因」ではありません。

友だちとのトラブルが原因で不登校になったのであれば、そのトラブルがある程度解消されたら学校に行けます。

しかし、多くの不登校の子どもたちは、そのトラブルが解決しているのにもかかわらず学校に行けません。

それは、子どもの自己肯定感が低いままだからです。

これを最近の社会状況を例に挙げて言うと、コロナは不登校になった「きっかけ」であり、不登校の「原因」は、自己肯定感が低くなる生活環境にあるケースが多いということです。

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