自動運転レベル4実現と保険連携で見えた現実味 電動ゴルフカートを活用した次世代EVに迫る

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損保ジャパンが提供する保険サービスの概要(筆者撮影)

また、‪事故発生に関する原因調査は、当保険を共同開発した東京大学大学院情報理工学系研究科の研究成果を活用。自動運転技術を用いて得られる位置推定や障害物検知などのデータから、事故発生時の状況をハード・ソフトの両‬面で再現、検証する。

さらに保険以外でも付帯サービスとして、‪事故トラブルサポートの実務対応を行う専用窓口を秋田にある損害保険ジャパン施設内に新設‬。‪平日昼夜に加え、休日夜間も稼働するコールセンター‬として、‪事故トラブル時の対応起点‬としての役割を担う。

インシュアテックソリューションとは

インシュアテックソリューションの概要(筆者撮影)

アイサンテクノロジー、損害保険ジャパン、ティアフォーによる以上のような取り組みは、2019年2月に3社が共同開発することを発表した、自動運転サービス実証向けのインシュアテックソリューション「レベルフォー・ディスカバリー(‪Level IV Discovery‬)」の構築が目的だ。インシュアテックとは、保険(Insurance)×テクノロジー(Technology)をかけ合わせた造語で、テクノロジーを用いた新たな保険商品を意味する。レベルフォー・ディスカバリーでは、3社が持つ先進技術を活用し、自動運転サービスに関する‪事故の「予防」「監視」「補償」の機能を満たすソリューション‬を目指す。これにより、‪従来の「事故に備えた損保」から「事故を防ぐ損保」に進化させる‬ことができるという。

自動運転車の実用化については、技術や法規など多くの課題がまだまだ残るが、3社が行っている事故の予防や被害者救済といった分野も非常に重要な要素だ。いかに技術が進んだとしても、安全と安心、そしてまさかのときの備えが十分に担保されなければ、本当の意味での「社会実装」は実現しない。今回取り上げたような公共交通などにおける自動運転サービスはもちろんだが、一般の乗用車においても、それは同様だ。現時点では、あまり進んでいる印象が少ない領域だけに、今後の動向に注視したい。

平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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