世界でも絶滅危惧種?「パタパタ」表示機の奥深さ 京急最後の1台撤去、実はイタリア発祥のメカ
そして受賞と同じ年、ソラリ社はベルギーのリエージュ駅に初の「パタパタ」を設置した。ただ面白いことに、同駅に取り付けられた装置のフラップは白地に黒文字で描かれており、時計とは異なるデザインとなっている。
「世界中の空港や駅に『何千枚』ものフラップを売りまくってきた」。ソラリ社の営業担当を務めるカティア・ブレデオン氏は、英公共放送BBCが行ったインタビューでこう答えている。世界各地の「パタパタ」が全てソラリ社製というわけではないが、同社があらゆる国に売ったおかげで、海外では一般的に「パタパタ」が「ソラリーボード」と呼ばれることになった。
他国でも同種の装置が
ソラリーボードが普及した当時の欧州は冷戦の最中で、旧ソビエト連邦の影響下にある東側諸国にまで販売を広げることはできなかったが、よく似た仕組みの案内装置を旧チェコスロバキアのパラゴトロン社(Pragotron)が製造していた。同社は時計をはじめ案内装置などを手がけるメーカーで、日本でもシンプルなデザインの壁掛け時計に根強いファンがいることで知られる。むしろ、純正・ソラリ社製の案内装置は、駅よりも空港のほうが設置例が多かったのではないだろうか。
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