世界でも絶滅危惧種?「パタパタ」表示機の奥深さ 京急最後の1台撤去、実はイタリア発祥のメカ

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シンガポール・チャンギ空港第2ターミナルにあった「パタパタ」表示機(写真:terkey/PIXTA)
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かつては全国の主要駅で普通に見かけた、板がパタパタと回転して行先や時刻などを表示する「パタパタ」発車案内表示機。2月11日、京急電鉄の京急川崎駅で使われていた同社最後の「パタパタ」がついに引退し、その姿を記憶にとどめておきたい人々が同駅を訪れるなど話題を呼んだ。

駅や空港で大活躍していた「パタパタ」はLED表示式などへの交換が進み、今では希少価値の高いものになったと言えよう。日本だけでなく世界的に見てももはや「絶滅危惧種」だ。京急線からの全面引退を機に、同装置の歴史について探ってみた。

「ソラリー式」の呼び名も

「パタパタ」発車案内装置は「反転フラップ式案内表示機」と呼ばれ、英語ではSplit-flap Display(スプリット・フラップ・ディスプレイ)と呼ばれる。一般的には開発者の名を取って「ソラリー式」(あるいはソラリーボード )と呼ばれることが多い。

2月11日まで京急川崎駅で使用された「パタパタ」表示機(写真:京浜急行電鉄提供)

世界初の「パタパタ」を作ったのは、イタリアの「ソラリ・ディ・ウディネ(Solari di Udine)」という会社だ。同社の創業は日本でいえば江戸時代中期の1725年で、当時は時計台に取り付ける大時計の専門業者だったという。

第2次世界大戦後、レミジオ・ソラリ、ジノ・ヴァッレという2人の技術者を擁するソラーリ社は、やがてデジタル時計の基本構造となる10桁の数字が入った4つのフラップを持つ表示板を開発した。この時、ソラリーボードの特徴でもある「黒いフラップに白い文字」というデザインが世に出た。この意匠で1956年、イタリアの権威ある国際的デザイン賞である「コンパッソ・ドーロ賞」を受賞している。

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