日経平均は2万4000円前後まで下落の懸念がある もし大荒れになっても必ず「買い場」は訪れる

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すでに足元では、3月を皮切りに、株式市場では2022年に6回以上の利上げを織り込み始めている。

さらにFRBの金融引き締め(QT)の開始にあたっては、利上げペースを変えないことが示唆されている。具体的に言えば、FRBのバランスシート(保有資産)縮小に関しては、①今年前半に具体的縮小手段検討、②検討を経て具体的な縮小手段公表、③今年後半頃に保有資産縮小開始が有力だ。なお①~③の想定はインフレ動向次第である点に注意が必要だろう。

3月のFOMCはどうなるのか

当然のことながら、次の3月15~16日のFOMCは大注目だ。3月FOMCでの焦点はまずは利上げの幅だ。0.25%(25ベーシスポイント)なのか、0.50%(50ベーシスポイント)なのかがはっきりする。また今後何回利上げを続けそうなのか、かなり明確になるだろう。

加えてQTの動向にはさらに注意が必要だ。上記①~③を肉付けすると3月か5月FOMCには検討が終わり、5月か6月のFOMCには具体的な縮小手段が公表されそうだ。具体的な縮小手段や規模、スケジュールのイメージが判明すればマーケットも大きく反応するはずだ。

もし3月のFOMCで、想定以上の利上げやQTの方向性が示されれば、日経平均株価の2万4000円前後までの株価下落は覚悟すべきだろう。ここで市場参加者の予想通りだったとしても年央に、また予想よりも楽観的(ハト派)ならば、年末にかけての株価下落に注意すべきだとみている。

ただ、冒頭でも書いた通り、私は決して弱気ではない(慎重なだけだ)。今年のどこかで絶好のエントリーポイント(強気に転換)がありそうだとみている。では、タイミングはいつか。前述のFOMC開催前後のタイミングで急落するようなら、いわゆる「落ちてくるナイフ」が落ちたところ(下げ止まった瞬間)で、究極の押し目買いをするイメージだ。

もちろん、これはそう簡単にできることではない。無理をせずに、大底が近いと判断したら、下落時に細かく何回も買い下がっていくのでもよいだろう。あくまで現状でのイメージだが、日経平均で言えば、やはり2万4000円前後(プラスマイナス1000円くらい)が買いタイミングとみる。

次ページなぜ2万4000円前後では「買い転換」なのか
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