水ビジネスの幻想と現実[1]--脚光浴びる“86兆円産業”、日本勢に勝算はあるか

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国内の産業や雇用への波及効果が極めて乏しい点も悩ましい問題だ。そもそも、上下水道の処理場新設は、その仕事の大半が土木工事の領域だ。発電所などと違って、処理場で使う機械装置は極端に少ないうえ、その装置類もローテクの塊なので海外で安い製品が簡単に調達できる。しかも、完成した施設で働くのは人件費の安い現地の人間。つまり、水のインフラは典型的な現地完結の土着型商売で、「無理をして日本から何かを輸出しようとすれば、ライバルとのコスト競争に敗れて仕事自体が取れない」(大手商社役員)。

鉄道や原発と並ぶインフラの有望市場として、官民がこぞって熱い視線を向ける海外水ビジネス。しかし、実際の商売はそう甘くはない。一時の過大な幻想で終わらせないためにも、現実を見据えた冷静なビジネス戦略と長期戦覚悟の地道な取り組みこそが、いま求められている。
(渡辺清治、西澤佑介、野津滋、並木厚憲)

■タイトル横写真:中国・成都の浄水場、中国では水インフラの建設計画が相次ぐ

※東洋経済2010年9月11日号の記事に加筆修正

■水ビジネスの幻想と現実 関連記事
[2] 日本勢唯一の“独壇場”に異変、水処理膜の覇権争い
[3] キーパーソンに聞く/三井物産、丸紅、産業革新機構

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