活況の国産ビンテージ、旧車とカスタムの親和性 レストア+αの復元が旧車ブームを牽引する

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東京オートサロン2022では、現代の技術によって復元&カスタムされた国産の旧車・名車が多数並んだ(筆者撮影)

国産スポーツモデルのビンテージカーが人気だ。とくに1960年代後半から1970年代に生産された車両は、以前から中古車市場でかなり高価だったが、世界的に需要が伸びたことで、より価格は高騰。また最近は、1980年代から2000年前半のモデルについても、海外の旧車マニアも含めファンが多く、やはり価格はうなぎのぼりだ。程度がいい人気車種であれば1000万円以上する車両もあり、稀少な車種では1億円を超える価格で取引されている例もある。

そういった潮流は、国内のアフターパーツ市場にも波及しており、カスタマイズカーの大規模展示会「東京オートサロン2022」(2022年1月14~16日、千葉県・幕張メッセ)でも、国産旧車向けの製品などが数多く展示された。

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とくに今回のイベントでは、日産自動車(以下、日産)の「スカイライン」や「フェアレディZ」、トヨタの「2000GT」や「セリカ」といった車種に、オリジナルのパーツを装着した車両が大挙展示されていたのも特徴だ。いずれも単にレストアをするだけでなく、オリジナルのフォルムをより個性的にするカスタマイズの提案がなされていた。

ここでは、昨今の国産旧車ブームに商機を見据えた製品や新サービスなどにスポットを当て、国内アフターパーツ市場における最新トレンドを紹介する。

現在の技術で生まれ変わる旧車の外装パーツ

オールドスターモータースが出店していたハコスカ(筆者撮影)

まずは、広島県のオールドスターモータースが出展した「ハコスカ」から紹介しよう。ハコスカとは、1968年に発売された日産の3代目「スカイライン」のこと。箱形のフォルムなどから付けられた愛称だが、今でも多くの旧車愛好家に支持されている国産ビンテージカーの代名詞ともいえるモデルだ。

ボディ自体は、レストア中といった様相で、所々にサビや穴なども見える(筆者撮影)

展示車両は1972年式で、モデル末期に発売された2ドアハードトップモデルだ。スポーティなスタイルと高い動力性能から人気を集めた。外装には、バンパーやボンネットなどのフロントまわり、屋根などにオリジナルのカーボンパーツを装備するが、内装やドアなどはなく、車体の鉄板がむき出しになっている。いわゆるドンガラの車体、レストア中と言えばよいだろう。しかも、車内のフロア部などにはサビもあり、所々に穴が開いている箇所さえある。あまり保管状況がよくなかった車両のようだ。貴重なモデルだけに、もったいない感じさえする。

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