「炭素利益率(ROC)」が高い100社ランキング 少ない温室効果ガスで多く利益を出せた会社

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3位は大東建託(5439.5)。2030年度までに2017年度比での事業活動で消費するエネルギー由来のCO2排出量(スコープ1+2)55%削減を目指す。新設する住宅展示場では、国内産木質バイオマス発電由来電力100%で稼働するといった取り組みも進めている。

4位はソフトバンクグループで4896.8。主要子会社のソフトバンクは2030年度までに事業活動で使用する電力などによるGHG(スコープ1+2)の排出量を実質ゼロにする目標を設定。全国23万カ所の基地局電力の再生可能エネルギー比率を30%に引き上げ。ヤフーがアメリカのデータセンターで使用する全電力を水力由来の再エネへ切り替える取り組みも進めている。

5位は保管・搬送システム世界首位級、立体自動倉庫首位のダイフクで4434.2。滋賀事業所に4.3MWのメガソーラーを設置、展示施設屋上に250kWの太陽光発電システムを導入。2030年度に自社グループ全体のCO2排出量を2018年度比で25%以上削減を目指す。

以下、6位小野薬品工業(3043.1)、7位ブラザー工業(2988.4)と続く。

ROCは注目される一方で課題も

ROCはデンマークのコペンハーゲンでCOP15(第15回気候変動枠組条約締約国会議)が開催され、国際的にGHG削減の関心が高まっていた2009年前後にメディアで取り上げられるようになった。だが、日本では2011年の東日本大震災後に注目度は急激に低下。あれから10年以上経ち、経営目標にROCを掲げる企業が出てくるなど再び注目を集め始めている。

ただ、課題も多い。特に大きな問題として挙げられるのが企業の回答・開示するGHGの対象範囲(バウンダリー)についてだ。

A社は自社と国内グループ数社のみ、B社は国内企業すべて、C社は海外を含めたグローバルでの数字といったように開示範囲には大きな差がある。残念ながら『CSR企業総覧』に掲載している環境関連データはこれまで回答のしやすさを優先してきたため、バウンダリーには正直目をつぶってきた。

今後はより共通のルールで回答を求めていくことが必要になるだろう。しかし、その「共通」というのも決して簡単な作業ではない。まだしばらく試行錯誤が続きそうだ。

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