世界で戦う、鉄道王国ニッポンの弱点 海外への“売り込み”体制は万全か?
では、日本勢のブースはどうか。川崎重工業、日立製作所を筆頭とした主要な鉄道車両メーカーや部品メーカーに加え、JR東日本や東京メトロのような鉄道事業者も出展している。
とりわけ、欧州で急速に事業を拡大している日立のブースの大きさはビッグスリーに引けを取らない。屋外の実車展示がない代わりに、ブース内には現在開発中の通勤車両のモックアップがドーンと置かれている。
日本勢は来場者への説明に懸命
ほかの多くの日本企業の展示は、自社の製品や技術を紹介したパネル展示が中心だ。日本国内の見本市で見られる光景と同じだ。ブースを訪れた外国人の来場者に日本人の営業マンが外国語で一生懸命説明している様子も見かけたが、それ以上に、手持ちぶさたなのか、日本人スタッフ同士で会話している姿が目についた。
「欧米メーカーの営業マンは会場内に“知った顔”を見かけると、自社のブースに引っ張り込んでカクテルで乾杯となる。日本のメーカーでは、ブースにやってきた来場者に説明をしておしまい」(国内メーカー関係者)。どちらのほうが将来のビジネスにつながるかは推して知るべしだろう。
9月24日、この日は”ジャパン・デー”として、午後4時半から日本企業が多く集まるエリアでパーティが催された。日本から連れてきた寿司職人が来場者らに寿司をふるまい、会場は立錐の余地もないほどの大盛況だった。公式閉館時間の午後6時になると、パーティの終わりが告げられ、あっという間に日本人スタッフたちも引き上げてしまった。
だが、ほかの主要な欧米メーカーのエリアでは、ミュージシャンの生演奏をバックに、みなでカクテルタイムを楽しんでいた。もう一つ付け加えると、イノトランス開催の前日、ほとんどの欧米や日本企業のほとんどがブース設置作業中で、ブースは影も形も見えなかったのに対して、中国北車集団、中国南車集団の2社は、すでにブース設置は完了させ、プレゼンテーションのリハーサルを繰り返していた姿が印象的であった。
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