北京「2度の五輪」で鉄道網はどれだけ進化したか 新しい高速鉄道は一般観客なしで力発揮できず

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2008年の五輪終了時に7路線だった北京の地下鉄網は、それから13年半の間に24路線まで増え、総延長は800km弱、総駅数で450超と世界の地下鉄でも最大級のネットワークを誇るまでになった(郊外線やライトレールを含む)。冬季五輪の観戦客需要も見越して2019年に開港した北京大興国際空港へも、高速鉄道と最高時速160kmで自動運転を行う空港アクセス鉄道が乗り入れる。

ただ、今回の冬季五輪はコロナ対策のために徹底的な「バブル政策(クローズド・ループと呼ばれる)」が行われるため、国外からの関係者による中国入国は従前からある北京首都国際空港でのみ出入りが可能となっている。

一般観客なしで力発揮できず

五輪史上初の夏冬両大会を催行する都市となった北京。周辺地域のベッドタウン化のみならず、もともと郊外だった中小町村の都市化が著しく、公共交通への需要はますます高まっている。

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郊外鉄道を含む地下鉄ネットワークは向こう2年以内に総延長が1000kmを超えるとの計画もあり、世界トップクラスの座を維持し続けることになるだろう。

ただ、2008年大会とは異なり、一般観客のいない今回の冬季五輪ではこれらの交通網が力を発揮する機会がなくなってしまった。中国は厳しいゼロコロナ政策を続けている。行動制限が緩和され、外国人観光客の姿がこれらの交通機関に戻ってくる日はいつ来るのだろうか。

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さかい もとみ 在英ジャーナリスト

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Motomi Sakai

旅行会社勤務ののち、15年間にわたる香港在住中にライター兼編集者に転向。2008年から経済・企業情報の配信サービスを行うNNAロンドンを拠点に勤務。2014年秋にフリージャーナリストに。旅に欠かせない公共交通に関するテーマや、訪日外国人観光に関するトピックに注目する一方、英国で開催された五輪やラグビーW杯での経験を生かし、日本に向けた提言等を発信している。著書に『中国人観光客 おもてなしの鉄則』(アスク出版)など。問い合わせ先は、jiujing@nifty.com

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