プロの"スジ屋"が教える「ダイヤ教室」のリアル感 東武に京急、臨時列車運行で「レア体験」プラス

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東武は同じ場所で2020年12月にもダイヤ作成教室を開催している。2021年は大幅にパワーアップさせ、座学だけでなく臨時列車への乗車体験を付け加えた。小学生(3~6年生)とその保護者20組を募集。参加費は1組7000円に設定した。

募集開始時のプレスリリースには「自ら作成体験したダイヤをもとに運転される臨時列車にご乗車いただけます」の部分に下線を引いて強調してあった。もちろん臨時列車の運行スケジュールはあらかじめ決まっているわけだが、参加者は実際のダイヤの隙間に書き込む体験をしたうえで、その通りに走る臨時列車に乗車する“フィールドワーク”ができる。

総合教育訓練センターでの授業は朝9時から始まった。まずは東武鉄道の基礎知識を学ぶところからスタート。「駅は205駅もあるんだ」「1日に10万kmも走っているよ。これは地球を2周半と同じだよ」とスライドを使って紹介していく。

略称「トニコ」の駅とは?

先生役の社員も緊張がほぐれてきたところで、実際に使用しているのと同じ列車運行図表(ダイヤグラム)を手渡して、斜線の意味や列車番号など、ダイヤの読み方の初歩を説明していく。教師役の社員はクイズを織り交ぜて、生徒の興味を引く工夫をしている。

東武の「ダイヤ作成教室」の様子(記者撮影)

とくに盛り上がったのが各駅に割り当てられた「略称」のクイズ。「『トニコ』『ニコ』『ワコ』『オカマ』はどこにある?」といった質問に、子供たちは細かな字と斜線でびっしりの本物のダイヤに目を凝らしていた。略称は205の駅すべてにある。クイズの答えは東武日光、西小泉、和光市、小川町だ。

途中の休憩時間を挟んで、いよいよ自分でダイヤを作成してみることに。実際のダイヤを拡大して印刷した紙に、これから走らせる臨時列車の各駅の通過・到着時間が記された時刻表を見ながら定規で丁寧に線を引いていく。

臨時列車は、11時45分に南栗橋駅を発車。日光線を都心方面に進み、伊勢崎線と合流する東武動物公園を通過、春日部駅に12時12分に到着する予定。途中、杉戸高野台駅、北春日部駅で通過列車の待ち合わせをする。春日部駅では引き上げ線でしばらく停車した後、折り返して今度は伊勢崎線に入って加須(かぞ)駅へ。同駅でも5分ほど停車し、13時2分に再び春日部駅へ戻ってくる。ダイヤ作成教室の参加者はここで解散だが、時刻表には南栗橋に入線するまでの回送の分まで記されていた。

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