政界で話題「5年後の総理」番付に見る3代目の宿命 トップだったのは福田達夫氏、2位は河野太郎氏

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この結果を見た多くの政界関係者は、「ポスト岸田の『次の総理』は、現時点でキングメーカーとされる安倍晋三、麻生太郎両元首相や、菅義偉前首相、二階俊博元幹事長の影響力維持が前提となっている」(閣僚経験者)と分析する。

要するに、現在の自民党内の権力構図が変わらなければ、総裁派閥・岸田派ナンバー2の林氏や、党内第2勢力・茂木派領袖の茂木氏が首相に就任する可能性が高いとの見立て。まさに現場記者も、安倍氏らの影響力を認めざるをえなかった結果とみえる。

ところが、「5年後」では現場記者の見立てが一変する。福田氏を断然トップ、河野氏を2位としたのは、安倍、麻生両氏ら4人のキングメーカーが影響力を失うとの肌感覚からだろう。5年後には自民党内の権力構図が様変わりすると予測しているわけだ。

年齢的にはライバル関係の河野氏と福田氏

そこで政界が注目するのは、河野氏が「次」と「5年後」の双方で2位となる一方、「5年後」でトップとなった福田氏との政治的立場の違いだ。1月に59歳となった河野氏に対し、福田氏は3月に55歳となる。年齢差はわずか4歳で、「5年後」には64歳と60歳になるだけに「年齢的には首相候補としてのライバル」でもある。

その一方で、1996年衆院選での初当選以来当選9回、当初から「目指すは首相」と公言し、昨年9月の前回総裁選でも事前予測では大本命とされたのが河野氏。対する福田氏は、まだ当選4回の“駆け出し”で、首相が総務会長に抜擢したことで突然フットライトが当たったのが実態だ。

すでに総裁選に2回出馬した河野氏が狙う首相就任は、祖父・一郎(故人)、父・洋平両氏に続く3代目の悲願。一郎氏は1964年の前回東京五輪を副総理兼務の担当相で切り回したが、五輪後に退陣した故池田勇人元首相の後継にはなれずに翌年大動脈瘤破裂で急死、死の床で「死んでたまるか」とうめいたとの逸話が残る。

一郎氏の後継者の洋平氏は、1994年に発足した自社さ連立の村山富市政権で自民党総裁での副総理・外相となり、ポスト村山の本命とされたが自民党内の“河野降ろし”で挫折、衆院議長を経ての政界引退を余儀なくされた。まさに、祖父と父が「あと一歩」だったからこそ、孫の河野氏は「今度こそ」の思いが強いとみられる。

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