特急「ハローキティはるか」激レア運行の一部始終 価格はどう決めた?遅延に苦悩した本番当日

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運転台の安全対策が終わり、いよいよ運転台での記念撮影タイム。普段は決して入れない場所として子どもたちだけでなく、大人のツアー参加者の興奮も最高潮だ。

日根野支所内ではしばしの停車時間があったが、ここでもたくさんのサプライズが。特に参加者の注目を集めたのは隣に留置中の287系車両のある部分。「隣の車両をご覧ください、普段はくろしお号で運行中の287系では決して見られない行先が表示されています」と放送が流れると、参加者の視線が一斉に横を向いた。乗務員がサプライズで列車名や行先を表示する行先表示器を操作し、普段では使用されていない組み合わせや駅名が表示されていたのだ。

これに夢中になったある男の子は「もっと見たい!」と直接スタッフに勇気のリクエスト。すると、乗務員が「ちょっと待っててね!」とすぐに隣の列車に移動して、リクエストに応えるファンサービス。こうしたシーンはツアーならではだろう。

最後も抜かりない「おもてなし」

最後の天王寺到着でも抜かりなくおもてなしが。普段は「はるか」が発着しない、阪和線専用の1番ホームに入線し、回送までじっくりと時間を設けることで、下車後のツアー参加者が最後の記念写真などをゆっくりと楽しめるように工夫がされた。このホームは一般にも開放されていたので、普段は見られない特別な光景に参加者以外もカメラを向けていた。

そんな中、非常に気になったのがホーム上を我先にと走り回る一部の鉄道ファンの危険な姿だ。珍しい光景に気持ちが逸るのはわかるが、目の前の列車が、このツアーが、どのようなものだったのか鉄道ファンなら知らないはずはない。旅のエピローグにふさわしい雰囲気を壊さないのも鉄道ファンであるなら積極的に配慮したい。

「鉄道をもっと魅力あるものに。そして、鉄道ファンを増やしたい」。その思いから発足した今回のツアー。この取り組みはきっと、鉄道に関わるすべての人々とって、大きな可能性とともに、次なる「鉄道と社会スタイル」につながっていくだろう。

村上 悠太 鉄道写真家

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むらかみ ゆうた / Yuta Murakami

1987年東京都生まれ。高校時代には「写真甲子園」に出場。交通新聞社『鉄道ダイヤ情報』にて「突撃!ユータアニキ 鉄道HERO完全密着」連載中。撮影の講師や講演を多数行う。

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